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雨の音すらも吸い込んでしまうような、緊張感と静けさ。
_______社長室に居るのは3人。
その中で沈黙を破ったのは、探偵社社長の福沢諭吉だった。
「______Aの様子はどうだ。」
福沢は、いつにも増して真剣な表情で太宰と国木田に問う。
「今のところ問題はありません。ただ、彼女は異能力の存在自体を知らないようでした。」
国木田も緊張感を持って答える。
「そうか...。
彼女に異能力があることは2人に伝えたと思うが、詳しい情報はまだだったな。」
福沢は表情を変えずに話し出す。
「____彼女が横浜に来るかもしれないということは、約2年前から知っていた。
私は彼女の父親と友人でな。よく連絡を取り合っていたんだ_________
ある日、一本の電話がかかってきた。
彼女の父親からだった。
電話の内容は、
《2年後、横浜に娘が行くことになるかも知れない。出来れば俺も一緒に行ってやりたいが、無理な可能性が高い。だからその時は......娘を、Aを探偵社で引き取ってくれないか。》」
「そして2年後、本当にAちゃんが横浜へ来たと...」
太宰は、何か考え込むようにして目を細める。
「情報はそれだけですか?異能の詳細などは...。」
国木田が質問する。
「そこが問題なんだ。
彼女に異能力がある、としか聞けていない。
《詳細は後で伝える。》と言ってから、彼女の父親が他界してしまったんだ。母親も病死している。」
「「えっ。」」
両親が他界している事実に、太宰と国木田は驚きを隠せなかった。
「乱歩ならすぐに分かると思うが、今は事件のことで出張している。
Aの情報を2人も出来るだけ探ってほしい。他の社員にも近いうちに話す。」
ーーーーー
「困ったな。」
「あぁ。今分かっているのは、Aちゃんに両親が居ないことと、何らかの異能力を持っていること。そしてイーハトーヴォ村の隣の村に住んでいることくらいだね。」
社長室を出るなり、2人は呟く。
「ん?雨が止んでいる...今日は何だか天候が不安定だな。」
一方で...
「わぁ!とってもお似合いですわ!」
「うん、A可愛い。」
Aは花柄の白いワンピースを買っていた。
「服も買ったし、何処か行きたいかい?」
与謝野がたずねる。
『あ、、私、お腹が空いて...』
Aのお腹がグゥゥと鳴る。
「じゃ、横浜案内もかねて、美味しいものでも食べに行こうか!」
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こぎつね(プロフ) - わぁ...!とっても嬉しいです!コメントありがとうございます(*´∇`*)これからも更新は遅いことが多いですが、頑張っていきますね(^-^)ゝ゛ (2021年2月23日 20時) (レス) id: b879b0bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
夢風(プロフ) - コメント失礼します。夢風と申します。お話、楽しく読ませて頂いております。これからも頑張ってください! (2021年2月23日 19時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こぎつね | 作成日時:2021年2月7日 5時