*52【少女は微笑む】 ページ8
「それはそうと、条件を見破れたのは素晴らしいわよ。
でも、それをどうやって彼らに伝えるつもりかしら?」
松は試すようにあかりを見る。
この至近距離では少女は捕まったも同然、今の状況で一体どうやって樹や瑛斗と合流し、隠し条件のことを伝えるのだろうか。
「スマホは最初に没収したはずよ?」
「もちろん、忘れてない」
一番楽な連絡手段であるスマホはゲーム開始前に没収済。
それでも、あかりはニコリと笑った。
「気にかけてくれてありがとう。でも、心配には及ばない」
随分と余裕な反応に、松は頭にハテナを浮かべる。
まさかこの状況から逃げ切るとでも言うのだろうか。
そんなことを考えていた所為で彼女は気づかなかった。
あかりが、後ろに回した手で何かをしていることに。
「一体何をするのかしら。この状況でアタシから逃げられるとでも?」
「まさか。私の足で逃げられるはずが無い。瑛斗でさえ危うかったんだから」
言いながら、あかりは松から遠ざかるどころか、ゆっくりと近づいていく。
そして松の目の前で足を止めると、彼女の目をジッと見つめて
「ほら、私を捕まえて?」
そう言って微笑んだ。
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ぺぽん(プロフ) - あくるさん» あくるさん、ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです!気長に待っていてくださると幸いです。 (10月18日 10時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
あくる(プロフ) - コメント失礼します。すごくこの作品好きです!また更新が再開するのを楽しみにしています! (10月17日 22時) (レス) @page40 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 瀬戸 こすずさん» コメントありがとうございます!更新停止となりましたが、応援していると言っていただけて本当に嬉しいです。こうしてコメントをいただけると読んでくださっているんだな、と実感できて頑張ることができます。ありがとうございます! (7月15日 19時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸 こすず - 最近改名しました!一ノ瀬こももです。更新停止は寂しいですが、私はずっと応援します!頑張ってください! (7月15日 17時) (レス) @page34 id: 8b7f4b66dd (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 一ノ瀬 こももさん» 作品を読んでくださりありがとうございます。面白いと言ってくれることが本当に嬉しいですし、作品を書き続ける活力になります…!もっと読みやすく、綺麗な表現が出来るように頑張りますので、これからも応援よろしくお願い致します🙇 (6月18日 18時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年8月14日 11時