*50【囮になった理由】 ページ6
ガンッ!!
松に振り下ろした鉄パイプは、彼女の持つ鎌によって食い止められてしまった。
「二人とも今のうちに逃げて!」
しかしここまでは予想通り。
松の動きを止めることが出来れば良いのだ。
「はッ?!お前、何してやがる!!」
「瑛斗行くぞ!」
状況が飲み込めず叫ぶ瑛斗。
しかし、あかりの作戦を理解している樹は瑛斗の腕を掴んで
ダンッ!
と、窓から飛び降りた。
ちなみに此処は廃病院の二階だが、建物に入る時、地面に草木が生い茂っていることを確認済みなので命に別状は無い…と思う。
「馬鹿はお前だろぉぉぉぉ!!」
瑛斗の叫び声が小さくなってゆく。
対して、鉄パイプを振り下ろした少女の意図が、二人を逃がすための時間稼ぎをすることだと理解した松は、フッと笑った。
「…なるほどねぇ。アタシとしたことが、油断しすぎたわ」
もっと早く捕まえておけば良かったわね、と呟く松。
二人が遠くへ行ったことを確認して、あかりは鉄パイプを下ろした。
「自ら囮になったって訳ね。お日様ちゃんと同じだわ」
「お日様ちゃん…?」
「舞ちゃんのことよ」
「あぁ…」
妙に納得してしまった。
確かに、あの子はいつも明るくてお日様みたいだなぁ、と。
あかりは舞と同じく囮になった。
でも、
「私は、ただ囮になるだけじゃない」
「あら、そうなの?」
松は興味深そうに首を傾けた。
目的は二人を逃がすこと。
そして、もう一つ。
「死神さんを助けに行くための、隠し条件を教えて」
この鬼ごっこに隠された真相を直接聞き出すことだ。
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ぺぽん(プロフ) - あくるさん» あくるさん、ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです!気長に待っていてくださると幸いです。 (10月18日 10時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
あくる(プロフ) - コメント失礼します。すごくこの作品好きです!また更新が再開するのを楽しみにしています! (10月17日 22時) (レス) @page40 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 瀬戸 こすずさん» コメントありがとうございます!更新停止となりましたが、応援していると言っていただけて本当に嬉しいです。こうしてコメントをいただけると読んでくださっているんだな、と実感できて頑張ることができます。ありがとうございます! (7月15日 19時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸 こすず - 最近改名しました!一ノ瀬こももです。更新停止は寂しいですが、私はずっと応援します!頑張ってください! (7月15日 17時) (レス) @page34 id: 8b7f4b66dd (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 一ノ瀬 こももさん» 作品を読んでくださりありがとうございます。面白いと言ってくれることが本当に嬉しいですし、作品を書き続ける活力になります…!もっと読みやすく、綺麗な表現が出来るように頑張りますので、これからも応援よろしくお願い致します🙇 (6月18日 18時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年8月14日 11時