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*76【運命は託される】 ページ32

「死ねェ!!」



カルラが鎌を振り上げ、こちらに向かってくる。
逃げなければ、そう思うのに体が竦んで動かない。
鎌が振り下ろされるその瞬間。



ガンッ!



「ッ…」



「なにっ!」



二人を殺すために放たれたカルラの攻撃は、樹によって止められていた。
彼の手に握られているのは、大きな鎌。



「樹、その鎌どこで…!」



「部屋から出る時、メイって奴のを奪ってきた!」



あかりは目を見開く。
動けないでいるあかりに樹は叫ぶ。



「行け!あかり!」



「でもっ…」



「ここは俺が食い止める!」



額に汗を滲ませ、樹はあかりを見る。



「死神は、あかりにしか助けられないと思うんだ。だから行け!」



あかりは静かに目を閉じ、開ける。
その赤い瞳には決意が宿っていた。



「…絶対、死なないでね」



「…あぁ」



樹と視線を交差させ、あかりは弾かれたように走り出す。
小さくなっていくあかりの後ろ姿にカルラは舌打ちをする。



樹はカルラに鋭く言い放った。



「お前の相手は俺だ」



「はっ、僕はお前なんか毛ほども興味ないね。ボスの部屋に行かせないこと。それが僕の役目だ」



そう言うと、カルラはあかりの後ろ姿目掛けて走り出す。



「ッ、くそっ!」



樹は鎌を振り上げ、カルラの背中目掛けて投げ飛ばした。
宙に投げられた鎌は勢いをつけて飛んでいき___



「がッ…!」



カルラの背中に命中した。
カルラは鋭い目つきで樹を睨む。



「お前…!!」



「ボスの部屋に行かせないのがお前の役割なら…俺の役割は、あかりを守ることだ!」



「はっ…いいねぇ、久しぶりに頭にきた…」



よろよろと立ち上がるカルラから膨大な量の殺気が放たれる。



「ぶっ殺してやる…」



「…やれるものならやってみろ」



舞とメイ、樹とカルラはそれぞれ向かい合う。
運命は、あかり一人に託された。

*77【私は変わった】→←*75【行って】



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設定タグ:死神 , バトル , 友情   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ぺぽん(プロフ) - あくるさん» あくるさん、ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです!気長に待っていてくださると幸いです。 (10月18日 10時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
あくる(プロフ) - コメント失礼します。すごくこの作品好きです!また更新が再開するのを楽しみにしています! (10月17日 22時) (レス) @page40 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 瀬戸 こすずさん» コメントありがとうございます!更新停止となりましたが、応援していると言っていただけて本当に嬉しいです。こうしてコメントをいただけると読んでくださっているんだな、と実感できて頑張ることができます。ありがとうございます! (7月15日 19時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸 こすず - 最近改名しました!一ノ瀬こももです。更新停止は寂しいですが、私はずっと応援します!頑張ってください! (7月15日 17時) (レス) @page34 id: 8b7f4b66dd (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 一ノ瀬 こももさん» 作品を読んでくださりありがとうございます。面白いと言ってくれることが本当に嬉しいですし、作品を書き続ける活力になります…!もっと読みやすく、綺麗な表現が出来るように頑張りますので、これからも応援よろしくお願い致します🙇 (6月18日 18時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年8月14日 11時

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