*55【決戦の始まり】 ページ11
『秘技、紙飛行機作戦』
それは、何かがあった時に紙に伝言を書き、紙飛行機を作って飛ばすというものだった。
最初にそれを聞いたとき樹は、ぱちりと瞬きした後、
『いやいやいや、そんなこと出来る訳ないでしょ!』
全力で止めた。
常識的に考えて、この広い街の中で仲間の居場所を推理して飛ばすなんて難易度が高すぎる。
しかしあかりは折れなかった。
『大丈夫。私の命中率ほぼ100%だから』
『…あ、そう…』
自信満々に言うあかりに、もはや言い返す言葉もなかった。
そしてついに使うときが来てしまったらしい。
窓から飛び出す前、アイコンタクトを取ったときに、あかりは樹に飛行機を飛ばすジェスチャーをした。
あれが合図だったのだろう。
「あの状況的に多分、伝言の内容は隠し条件のことだと思うけど…」
「あかりが飛ばしたはずの紙飛行機が見つからないってことか?」
「あぁ。だから言ったんだ、やっぱりあの作戦は…」
ふと、樹の足にナニカがコツ、とぶつかった。
それを見た瞬間、樹の言葉が止まる。
「どうした?」
瑛斗は不思議に思い、樹の背後から覗き込む。
「こ、これ…」
「あ?なんだよ……って」
二人の目の前には
「「……あった」」
小さな白い紙で作られた紙飛行機が落ちていた。
「「あ、あかりすげぇ〜……」」
まるでマジックを体感したような感覚になった。未だに信じられず、二人で顔を見合わせる。
その時、
「やっと見つけた」
聞き慣れた声がしてハッと息を呑む。
余裕そうな足取りで近づいてきたのは、
「来たな…松」
名前を呼ばれた彼女は、口だけで微笑しながら言った。
「さあ、決戦をはじめましょう?」
残り時間は"約十分"
三十分間の鬼ごっこ。
勝つのは、どちらか。
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ぺぽん(プロフ) - あくるさん» あくるさん、ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです!気長に待っていてくださると幸いです。 (10月18日 10時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
あくる(プロフ) - コメント失礼します。すごくこの作品好きです!また更新が再開するのを楽しみにしています! (10月17日 22時) (レス) @page40 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 瀬戸 こすずさん» コメントありがとうございます!更新停止となりましたが、応援していると言っていただけて本当に嬉しいです。こうしてコメントをいただけると読んでくださっているんだな、と実感できて頑張ることができます。ありがとうございます! (7月15日 19時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸 こすず - 最近改名しました!一ノ瀬こももです。更新停止は寂しいですが、私はずっと応援します!頑張ってください! (7月15日 17時) (レス) @page34 id: 8b7f4b66dd (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 一ノ瀬 こももさん» 作品を読んでくださりありがとうございます。面白いと言ってくれることが本当に嬉しいですし、作品を書き続ける活力になります…!もっと読みやすく、綺麗な表現が出来るように頑張りますので、これからも応援よろしくお願い致します🙇 (6月18日 18時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年8月14日 11時