28、恐怖はすぐそこに ページ29
「…は」
国木田は目を見開く。
「今朝、Aちゃんの服に何か黒いものが付いているのに気づいてね。昼頃に彼女が街を歩いているのを見つけたから、ぶつかる振りをして回収した」
手に乗せられた盗聴器は、太宰によって既に壊されていた。
「…一体誰が」
「分からない。けれど私が思うに、この盗聴器を仕掛けた犯人と、Aちゃんの家を燃やした犯人は同一人物だ」
会話を聞いていた敦は、思わず口を挟む。
「Aの家が燃えたのは不運な事故の筈じゃ…!」
「家が立ち並ぶ住宅地で、一軒だけが全焼。しかも丁度その時、Aちゃんは家に帰ろうとしていた。
おまけに彼女に仕掛けられた盗聴器」
敦はハッとする。
「犯人はAに盗聴器を仕掛けて行動を把握し、彼女が帰ろうとしたから…家を燃やした?」
太宰は頷く。
「どうやら犯人は、Aちゃんを横浜から出すつもりは無いらしい」
一方で、何も知らないAは一人、社員寮に歩いていた。
「疲れたぁ……」
ナオミと鏡花に服屋に連れて行かれたと思えば、買いたい服が無かったのをいいことに、着せ替え人形にされてしまった。
そんなこんなで時間は過ぎて、今はもう夕方。
『疲れたけど、良い買い物が出来たかな』
新しく買った淡い緑色のワンピースをフワリと靡かせて歩く。
「こんばんは」
「ッ!」
突然聞こえた声に後ろを振り向くと、見覚えのある人物が立っていた。
「一昨日振りですね」
「…直哉さん、どうして此処に?」
質問に答えず、直哉は微笑む。
瞳の奥にある狂気を隠して。
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ゆいたろー!(プロフ) - ぺぽんさん» わー!有難う御座います!この作品また見たいと思ってたので嬉しいですッ!! (1月24日 21時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - お相手の作品が削除されたことを確認しましたので、再び公開しようと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (1月15日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» ゆいたろー!さん、申し訳ありません。悩んだ末、二章以降を非公開にすることを決めました。こちらを読んでくださる人もいることは重々承知していますが、このまま盗作され続けるのは嫌でした。 (1月10日 18時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» 完結した後でも作品を読んでくれている方がいるのは、とても嬉しいです。作品を書き続ける活力になります。これからもこの作品をお楽しみください。他にも作品を投稿しているので、お時間があればそちらもぜひ。 (1月10日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - いえいえ、お役に立てて光栄です。これからもこの小説楽しませていただきます (1月10日 17時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年5月7日 15時