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「おーい来てやったぞー」
「わぁあ、中也さん!!」
あれ以来俺はほぼ毎日、あの屋敷に通うようになっていた。
あいつの、Aの茶を飲むためだけに。
「今日はダージリンを入れたの」
「ほぉー、っん、うまいな」
「いつも同じこと言ってるよね、そんなに美味しい?」
「あぁ、体に沁みる」
「寒い日にラーメンのスープ飲んだ人みたいね」
「どんな例えだ」
テーブルにカップを置き、庭に出る。
「手入れとかしねぇの?屋敷もこんなんだったら見栄えが悪い」
「うーん、やっぱりそうだよねー。」
「思ってんならやれよ…」
「でも一人じゃあ…ねぇ?」
「…なんで俺を見んだよ」
「さぁ、なんでだろう」
「…はぁ、わぁったよ」
「やった」
彼女は嬉しそうに笑った。
それにつられて、俺も笑った。
こんなに楽しいのはいつぶりだろうか。
こんなに一般人と話したのは一体何年ぶりなんだろうか。
色んな感情が渦巻き、鼻がつんと痛くなる。
「中也さん…?」
「あ?」
「なんで、泣いてるの?」
「泣いてる?俺がか?」
「うん。そ、そんなに嫌?」
「何がだよ」
「あの、家の手入れの手伝い…」
「んなわけねぇだろ」
「え?」
嬉しいんだよ_____
「おら、さっさとやるぞ」
「え、ちょっと!!ねぇどーゆーことなのー!?」
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作者名:リュナ | 作成日時:2016年11月27日 15時