検索窓
今日:23 hit、昨日:7 hit、合計:40,301 hit

一等星の閃き / 4 ページ17

.



小南が言うことは間違ってはなかった。
そもそもの話、ボーダーへ入隊なんて話自体 Aが異世界から来た来てない以前に簡単に縦に振る内容では無い。こちら側(ボーダー)に来るということは、命をかけるということだ。それは文字通り、その命を持って、知らない誰かを守ることを指す。当たり前だ。ボーダーはそういう組織なのだから、人の命を背負う責任だって、だれよりも死と隣り合わせという覚悟だって必要なのだ。

それに加えてAは異世界人だ。そのことすら片付いていない。実際現在も話は平行線を辿り何も進まないのだ。1歩前進してもまた1本後ろに撤退を繰り返すその会議にそろそろ迅も林道も参っていた頃だった。


「んー、まあ別にボーダーじゃなくてもここにいていいからね」

あそこのお子ちゃま見てごらんよ、いちばん偉そう。
迅はそう言いAを見る。ありがとうございますと礼を言うが明らかに気にしてる様子であるのを見ると、やはりAにちゃんとした居場所が必要なのは明白だった。
いつまでもぐらぐらとした危ういう立場よりも、しっかりと自分の存在証明ができる場所が必要だろう。


「AちゃんはAちゃんのできることをしたらいいよ」


ゆっくりと、目の前の小さな少女に届けばいい。
ぽん、ぽん。再び叩いたその背中はいつもよりも小さく思えた。



.

宣誓のシジジーを / 1→←一等星の閃き / 3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (149 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
401人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:40 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年6月6日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。