一等星の閃き / 4 ページ17
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小南が言うことは間違ってはなかった。
そもそもの話、ボーダーへ入隊なんて話自体 Aが異世界から来た来てない以前に簡単に縦に振る内容では無い。
それに加えてAは異世界人だ。そのことすら片付いていない。実際現在も話は平行線を辿り何も進まないのだ。1歩前進してもまた1本後ろに撤退を繰り返すその会議にそろそろ迅も林道も参っていた頃だった。
「んー、まあ別にボーダーじゃなくてもここにいていいからね」
あそこのお子ちゃま見てごらんよ、いちばん偉そう。
迅はそう言いAを見る。ありがとうございますと礼を言うが明らかに気にしてる様子であるのを見ると、やはりAにちゃんとした居場所が必要なのは明白だった。
いつまでもぐらぐらとした危ういう立場よりも、しっかりと自分の存在証明ができる場所が必要だろう。
「AちゃんはAちゃんのできることをしたらいいよ」
ゆっくりと、目の前の小さな少女に届けばいい。
ぽん、ぽん。再び叩いたその背中はいつもよりも小さく思えた。
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作者名:40 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年6月6日 22時