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第一話____ ページ2

…………。
またか、またなのか。

「よ、A、また同じクラスだったな」

そう言いながら笑って私の方を見る裕也。
でも私の目線は裕也ではなく、

「裕也、皇が困ってんだろ。やめろ、煮るぞ」

完全に名前も知らないお兄さん(宮地先輩)に注がれていた。

「別に、私は困っていませんが……」

そう言って苦笑すると、宮地先輩はそうか、と言って自分と同じクラスになった人と話すために向こうに行く。

私の癒しの時間は、とても少ない。
でも、私みたいな一般生徒が宮地先輩のような有名人と話すことが極めて稀だから、
そう考えることで我慢できる。

……自意識過剰だな、私……。

「おーいA?」

一人で苦笑していたらすっかり裕也を置いてきぼりにしてしまっていた。ごめんよ裕也。
でも口には出さない。私はそんなキャラだから。

「兄キに見惚れてたのか?なーんてな」

……ドキッとした。
……こいつ、鋭いな。
まぁ裕也にはすぐバレるだろうけど、誤魔化しとこう。

「そんなわけないでしょ、先輩に見惚れていいのは先輩に見合う可愛い子だけだよ」

……余計なことまで口走る癖、治らないな。
そのおかげで誤魔化せたりする。この単細胞(裕也)は。

「そうだよな、悔しいけど兄キイケメンだし」

兄弟でもそれは認めるんだね、なんて私が言うと顔を真っ赤にしてうるせぇ、と言ってきた。

「それより、そろそろ教室に行こう?」

周りを見ればちらほらと動き出す生徒達。
初日から遅刻なんてしたくない。

「そうだな、行くか」

裕也の一言で私たちは二年生棟に向かって足を進めた。

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茉佑.(プロフ) - お魚屋さん» コメントありがとうございます。そんな褒められたら照れちゃいます← 終わってから結構たちますけど、読んでくださる方がいてとても嬉しいです。ありがとうございました! (2015年11月22日 16時) (レス) id: 7578abfe29 (このIDを非表示/違反報告)
お魚屋(プロフ) - コメント失礼します。この作品、とても面白かったです!私は恋愛ものを書くのも読むのも苦手ですが、この作品はスラスラ読めました!話の展開が多く、伏線回収が気持ちよかったです!このような作品は連載中に出会いたかったです笑 (2015年11月20日 23時) (レス) id: 8a81ee35e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉佑 x他2人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年8月22日 10時

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