Day 20 (XIII) ページ21
.
篠原さん、こんにちは、篠原さん。
僕、今日付けで特等捜査官ですよ。
ママと少しだけ話をして お別れをしてきたです。
……ようやく篠原さんと肩を並べられるところに来ることができました。
水郎と半兵衛と御影は一等で、Aと半井は上等です。
半井は誰よりも真面目で、彼がいるだけで報告書の仕上がりの早さが変わるんです。さすが副班長ですね。報告書はたくさん文字を書くので僕は漢字の練習もしてるです。
Aは女の子なのに、僕に負けないくらい喰種をたくさん倒すんです。Aが作ってくれるお菓子 とっても美味しいですよ。篠原さんにも食べてほしいですね。おすすめはプリンタルトです。
御影は戦ってるときでも宇宙のことを考えていますよ。相変わらず言っていることの意味はよく分かりませんが 前に「ばたふらいせいうん」の写真を見せてもらったとき、凄く綺麗で感動しました。次来る時に水星水持ってきますね。
半兵衛は五人の中で一番成長してると思います。血の臭いすら苦手だった最初の頃と違って立派になったですよ。もちろん他の四人もめきめき成長してます。本気はんべー投げ、一度やってみてください。
水郎はプリンを剥くのが好きですけどいつも失敗してます。喰種捜査官の第一歩はプリン剥きから始まるというのに、まだまだですね。でも班の中で人一倍向上心があるのでそのうちできるようになるでしょう。僕の班は頑張り屋さんの人がたくさんですね。
篠原さん、あのね、篠原さん。
部下、ってとってもいいものですね。
篠原さんも僕のことをこんな風に思ってくれてましたかね。
昔の僕は ただただ喰種を殺すことしか考えてなかったダメ野郎でしたけど、
そのせいで篠原さんに迷惑をかけてしまったダメ野郎でしたけど……
たくさんの ごめんなさい と ありがとう を伝えたあと、
篠原さんと一緒にお酒を飲みたいです。
……前に言ってましたもんね。
篠原さん、篠原さん。篠原さん。
今はまだ、ゆっくり休んでいてくださいね。
これからも篠原さんの分までお仕事頑張ります。
貴方が目を覚ましてから初めて見る外を、
一滴の血も流れない世界にしてみますから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2020年7月5日 15時
