29.夕暮れの涙 ページ29
『……き、気づいたら、……放課後、……だと！？…………』
「……翔太くんに告白するんじゃないの？」
『うわっ！なんだ巨人か……』
皆はぞろぞろと廊下に出ていく放課後。
気づいたらふと、隣にジト目で私を見る真冬がいた。
『……いやまぁ、……そ、そうなんだけど、……』
「……ごめんね、翔太くん、僕のせいで傷つけちゃってるかもだから、……」
『…………え？どういう、……』
「……じゃあね、悔いのないよう、頑張って」
私の言葉も聞かず、真冬はにこっと笑って手をふる。
そしてくるっと後ろを向き、私に背を向けて歩き出した。
天宮くんを、真冬のせいで傷つけたって……
どんどんと、真冬の背中が小さくなる。
……今日の真冬、何だかすごくおかしい。
ただ、そう思って真冬を見ていただけなのに、
.
.
.
…………！？
真冬が廊下からでて、左側に曲がった時だった。
あまり顔は見えなかったが、夕日に照らされた滴が空に浮いて消えていた。
真冬、もしかして、……
『……泣いてる、の？____』
.
「Aちゃん！」
『わっ！？』
突然、大好きな少年の声がする。
私は驚いて振り向くと、にこにこと微笑んでいた天宮くんがいた。
「真冬くんから、Aちゃんが呼んでるって聞いたんだけど……」
……え？どういう、こと？
真冬はなんで泣いてたの？なんでわざわざ天宮くんに伝達とかそこまで……。
『……あ、ごめん！ちょっとここじゃ話しにくいことだから、場所移動しようか？』
「うん！いいよ！」
私はその想いを知られたくなくて、笑顔をつくってにっこり笑う。
天宮くんは天然だからか、疑いもせず微笑み返してくれた。
……今思えば、あのときの真冬を引き留めればよかったのに。
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです！別垢になってもずっと応援してます！お疲れ様でした！ (2020年8月11日 18時) (
レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね！ずっとずっとやのさんの作品が大好きです！ (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです！今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します！ (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした！！！(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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