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33.猛独が襲う ページ33

「……ずっと前から、そのことを言おうとした。……だけど、僕の勇気がなかった」





……じゃあ、補習で居残りになったときも、天宮くんと出会った直前も、




すごく、改まった形で話そうとしていたのは……、






『……そんな、……』





「……ごめん」





私は目を丸くした。体の力が抜けて、もう動けない。






『じゃあアンタが、英語の本一杯読んでたのも……』





「……うん。日常会話を習うためだった」





『……どうして、なんでもっと早く言ってくれなかったの!?』






一番辛いのは、真冬のはずなのに。





私は真冬を責めてしまう。真冬は、悪くないのに。






「……言ったらAは何をするの?」




『……そ、そりゃ、真冬のお母さんお父さんに話を……』




「じゃあ、もしそれで納得してもらえなかったら?Aは悲しむよね?」





『……それは、……』






もう、悲しいよ。





でも、ずっと前にいってくれたら、真冬との時間を大事にしたのに、





真冬と、もっと仲良くしようって、思えるはずなのに。






「…………もう、いいんだよ、A。





……僕は明日の8時、隣の市にある空港にいく。……だから、もう遅いよ」






明日の、8時、隣の市の、空港……。




外国だから、国外線の飛行機……。





「……お別れがちゃんと顔を合わせて出来ないのが残念だなぁ、……






さよなら、A……僕がいなくても、翔太くんに彼女としてアピールできるよう頑張ってね」







『……はっ!?彼女じゃn』





プツリ、私がいいかけたとき、真冬は通話を切った。




そして、その通話が切れる音と共に、私の心も、何故か切れた。





……何か、大事なものを失ったような気がして、





空っぽになった心は、もう真冬がいなくちゃ、どうすることもできなくなっていた。

34.さようなら→←32.通告と通話



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設定タグ:まふまふ , 歌い手 , 学パロ   
作品ジャンル:ラブコメ
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです!別垢になってもずっと応援してます!お疲れ様でした! (2020年8月11日 18時) (レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね!ずっとずっとやのさんの作品が大好きです! (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです!今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します! (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした!!!(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やの | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月20日 22時

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