31.すいやせん ページ31
って！私、天宮くんも真冬も好きだったってこと！？
……うわ、私、最低じゃん！……
「……ふふっ、真冬くんのところに行ってあげて？」
『…………うん！天宮くん！ごめんね！』
「………………うん、」
私は鞄をもって、くるっと後ろに振り返り、教室をあとにした。
真冬と出会ったら、告白して、何で泣いてたのか問い詰めよう！
待ってろよぉぉぉぉお！！魔法少女Aちゃんが助けてやる！！
そんな想いを抱いて、私は急いで歩いた。
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「…………うっ、」
「天宮……」
「……棗ちゃん……ごめっ、僕、……」
「……うん、頑張ったな」
廊下から一部始終を見ていた棗は、全てを察して教室に入っていく。
そこには、泣きそうな翔太が、懸命に瞼を越すってこらえていた。
「…………ｸﾞｽｯ……僕だって、……僕だってｯ……」
「……うん、知ってる。……でも、あの二人は結ばれなきゃいけないからね、」
「……うん、……わかってる、わかってるけどｯ……」
「……辛い、よなぁ、……好きな相手をわざと振るなんて……」
背の小さな棗は、少し背伸びをして、翔太の首に手を巻き付けて、頭をゆっくりと撫でる。
翔太の涙が、ポツリポツリと、空き教室の床に滲んでいった。虚しさを覚えながら。
.
.
『……すいやせーん！』
ピンポーンと真冬の家のインターホンを押す。……が、何故来ない。お母様は？？え？
すると、やっとガチャリとドアが開く。
真冬のお母さんだ。やけに寂しそうな表情を浮かべている。
『……あのー、真冬って……』
「……ごめんなさいね、……今あの子、誰とも話したくないって…」
『…………え？』
誰とも話したくない？じゃあそれ、さっきの涙に繋がるの？ねぇ？
真冬、どうして、…………
『…………ごめんなさい、ありがとうございました』
「いいえ、……もう、あと少ししかないけれど、真冬と、仲良くしてやってね」
『……はい！』
……もう、あと少し？どういうこと？
そうはいっても、悲しそうなお母さんの表情が辛すぎて、私は笑顔で微笑むしかなかった。
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです！別垢になってもずっと応援してます！お疲れ様でした！ (2020年8月11日 18時) (
レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね！ずっとずっとやのさんの作品が大好きです！ (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです！今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します！ (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした！！！(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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