フラストレーション男子の扱い方【そらる】

2.お金 ページ2

「…………あれ、君は？」





頭には包帯あるし、身体中傷だらけなのに、その事には触れず、私を見つめ出したその人





……ど、どういう、こと？……





い、いじめじゃ…ないの？……





「……こいつがいじめはよくねぇっていって来たんだよ。胸糞わりぃ」





「……んー、じゃあ今日は二割引きにしたげる。はい。二割。返すね」






痛そうにフラフラと立ち上がった彼は、不良に何かを手渡す




………………え？え？






「……はっ、いこうぜ」





「そうだな」





すると二人の不良は私の横を通り大幅に歩いて去っていった。







.






…………どういうこと？え？





そう混乱して不良の背中を見ていると、先程暴力を振るわれていた彼が近づいてきた






「……混乱させてごめんね？でも、これは虐めじゃないよ」





『……ど、どういう？……』






「……あの二人は俺に金を払って、俺でストレス発散してるの」





にっこり、と清々しそうに微笑む彼





………………え





それって……







『……体、売ってるの？……』




「……うん。そうだよ。でも俺、アッチ系は好きじゃないから、それをしない条件でね」






…な、なんで？そんなのしても、……





メリットは、お金？……なら、うちの高校バイト大丈夫だし、バイトすればいいじゃない……






「……ふふっ、なんで？って顔してる」





『……だ、だって！……』





すると、彼は少し汚れた手で私の頬を触った





少し色っぽい笑顔に、私はきゅんと来る







「……俺が、愛を求めてるからだよ」





『……あ、い？……』





わけがわからない





暴力が、愛？それじゃまるで、殴られることを好んでるみたいじゃ……






「……ふふっ、俺は愛がほしいの。だから、お金も愛も貰える。こんなにもいいバイトはないよ」




『そ、そんなの！……』





そんなの、君の体がボロボロになるだけじゃ……




そう反抗しようとすると、彼は表情を変えずにこう告げた






「……学校には言わないでね。虐めとして扱われちゃう」




『……で、でも！……』









「……これが俺の、生きる意味だから」







言い返そうとすると、彼は鋭い目付きで私をにらみ、低い声を発した





……そんな、こんなの間違ってるよ……






……そうだ





とあることを思い付いた私は彼の手首をつかんで、こう告げた






『……せめて！せめて手当てだけでもさせて？』

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