薬屋と忍びのひとりごと 2〖薬屋のひとりごと〗 (ページ47)

今日:4 hit、昨日:87 hit、合計:15,767 hit

96 青い薔薇ページ47

『その会はいつですか？』

壬氏『来月だ』
(嘘だと言ってくれ…どうせならもう幻術かけたが早くないか？)

猫『壬氏様ご存知ですか？薔薇が咲くには二月以上はかかります』

無言になる主

『幻術をかけるのは簡単ですが…』

壬氏『それだと後々面倒になるから何とか断ってみる』

神妙な顔をしていた猫猫が

猫『もしかして…ある軍師からの話ですか？』

(羅漢様か…この疲れ具合からしてそうだろう)

壬氏『あぁ…そうだ』

猫『出来るか分かりませんがやるだけやってみます』

『私も手伝うよ』

壬氏『本当に出来たのか』

主はまだつぼみの開ききらぬ花を眺めながら言ったが

猫猫『やはり難しいですね。開花には至りませんでした』

そこには開花には至らなかったが赤、黄、白、桃、青、それどころか黒や紫、緑まである

壬氏『十分だよくやった』

猫猫は心底残念そうに言ったのは自分の思うようにならなかった不甲斐なさである

私は出来るわけないだろうと鼻で笑っていた高官達をひと睨みしてたら

壬氏『良くがんばった。気にするな』

私の頭をひと撫ですると天女の微笑みを絶やさぬまま艶やかに笑いながら背筋を伸ばし檀上へと向かった

主に集まる視線は様々な思惑を秘めている…色情ならまだ利用法がある

一番困るのは何を考えているのかわからない目

帝の左側に控える妃の一人…楼蘭の実父である子昌
私の諜報に主から再三､注意喚起を行うも先帝の母である女帝の寵愛を受けた事で今もなお頭が上がらないから後宮入りを無理やり押し切った古狸