87 壬氏side ページ38
『麗華』
つとめて穏やかな声で名を呼びそれに反応した事にホッとしながらもやむを得えず気絶させた
この日の〖祭事〗をかなり心配されていたが順調に進んでいた…微かに香る硫黄の香りが気にはなったが
祭事後半になり周りが段々ざわめきだし
『土遁多重土留壁』
聞きなれた声が術を発動しその狼と下女と呼ばれていた者によって俺は守られ怪我はなかった
狼は麗華の口寄せ獣で下女は薬屋
麗華の分身が〖祭事〗にいた何人かを捕縛し他の来賓者を素早く屋外へ誘導
俺が理由を聞こうとするも外にいる分身が伝えると言いそして〖決して後ろを振り返らないでください。私は大丈夫〗この言葉を聞き
麗華の両親が亡くなる前それぞれが〖今後何があろうとも決して振り返らず前を向き幸せになれ〗と言われた事、俺に伝えた言葉……麗華は死ぬつもりなのか?!
嫌だ…やっと自覚した共に歩みたいと思えた想い人
俺の中での覚悟も決まり気持ちを伝えようとしたのに…ダメだ……皆を守る為とはいえ主より先に逝こうとする部下がどこにいるか!!お願いだから先に逝かないでくれ
建物を覆う結界ができ、決して触れるなと麗華の分身が伝えかすり傷を負った者に医療忍術まで施している
そこまでしたら……お前は…
その時1人の男が中にいる麗華に向けて放った一言で怒りが込み上げ叩き切ってやろうかと思ったが高順に止められ
近くにいた薬屋から建物内に来るまでの騒動、ここまでする理由……そして
猫『仕込まれた毒の1つは朝顔…別名曼陀羅華ですが麗華が把握し燃やした毒草も既にあるものとしたら致死量になるくらいの毒を仕込まれてるだろうからその兆候が見られたらこの解毒剤を使ってくれと言われてます』
薬屋の言葉を聞き忍びとして、軍部総隊長として、侍女として優秀すぎる麗華
その時建物が爆破し倒壊したが結界のおかげで外への被害は0
麗華らしい判断だがその時全ての分身と口寄せ獣まで消えた
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作者名:ひかる | 作成日時:2023年12月21日 15時