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年配の官女にその官女が逆に止められ目で「わかるなら診て頂戴」と訴えていた
「訓練中突然倒れこれといって打ちどころは悪くなかった…はずだ」
はずだ?その場に居た武官達の歯切れが悪いのは扱いているのが皆にバレたのと未だに居る父の存在で更に居心地が悪いのだろう
体温は正常で汗も通常量だがベタつき感と脈の遅さが気になり
『打ちどころと言うより』
医局にある手ぬぐいを何枚もとり水につけて倒れた若者の身体にのせて冷やす
『棚の物を使ってもいいですか?』
年配の官女に聞くも返事は微妙…さてどうしたものかと思っていたら父様が官女に向けて親指を立てそれを見た官女が「使っていい」と返事がきた
棚の中の塩と砂糖と水を容器に入れゆっくり起こし唇を濡らすように飲ませ意識が戻ってきたら自分で飲んでもらい
若者の身体を冷やし続け飲水を促していたら後ろから拍手が聞こえた
振り向くと白い上着を着た男性達が立っていた
医宦と思われる老人一人と壮年二人
「合格だ。自分達の助手が来るから筆記試験だけで決まっても困るから見てたまでだ」
試験も冷静に考えれば解ける問題だったし命を預かる者とすれば使えない奴は排除したい
理にかなった考えだと思ってたら
「使えなかったらその場で切ることもできたんだがなあ」とどことなく残念そうにする老人医官
癖がありすぎな医官の発言にため息をまた1つし試験は終わった
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作者名:ひかる | 作成日時:2023年12月18日 15時