風邪 ページ9
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『ジェイド?いる?』
部屋を覗くと中は暗かった。
『…いない、か』
「ケホッ…ケホッ」
『ジェイド?』
ジェイド「…A?」
ベッドから起き上がってきたのは、多分辛そうな顔したジェイド。
電気を付けて確認すると、顔は火照っていて、視線もボーッとしてた。
『ジェイド風邪?なんで言わなかったの?』
ジェイド「すみません、最初は1人でどうにかなると思ったんですけど…」
『ちょぉ立たないで。静かに寝ててよ』
無理に立ち上がるジェイドを軽くベッドに押せば、すぐ倒れた。
『ほら、まともに立ててないじゃん。そんなんじゃ皆に心配されるよ?』
ジェイド「風邪というのはこんなに辛いんですね」
『話聞いてる?』
『兎に角、アズールとフロイドには俺が言っとくから。ジェイドの分のシフトも俺が代わりに埋め合わせとく』
ジェイド「本当にすみません…」
申し訳なさそうに謝られた、いや別にいいんだけどさぁ、人間の自然現象だし…
『じゃあ、俺伝えてくるね。あ、ジェイドご飯食べた?何か作ってくる?』
ジェイド「特に食べて無いですね」
『おけ、じゃあご飯も作ってくるねー』
いやー、なんか稚魚を育ててる気分。
母さんとの記憶はないけど、きっとみんな親はこんな感じだったんだな…
・
『って、ジェイドぉ、離して?』
ジェイド「………
もう少し、いてくださいよ。A」
なんだよ…本当に稚魚みたいに駄々こねて、
ほっぺ膨らましちゃって…
・
なんか、
美味しそう。
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