【鎧武】おにーちゃんと俺『バロン』 (ページ3)

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１，輝石ページ3

パーカーを羽織ってリュックを背負い塾のために遅い時間に家を出る。

人の居ない道を通っていた。
不審者がきて自分をころしてくれないか、と物騒な事を考えながら歩く。

勉強して帰る時、

「なぁ、ザック！明日もおどりてぇな！」

「あぁそうだな」

聞きなれたような・・そんな声が聞こえた。思わず隠れようと茂みに体を隠したが
止まるのが勢いよく茂みに手をつき音をだしてしまった。

「誰だ？！」

声が高いほうの声。

「こっちだな・・・」

低い多分聞きなれた声。

ドンドン近寄ってくる音が聞こえる。

離れて・・離れて・・離れて・・走った。

「おっおい！」

間違いない、アレは『兄』だった。

優しくて、温かい

私の

兄。

大切な何か。

――――ペコside

ザックと帰宅なう！

コンビニにジュース買いに行ってたんだー

『ガサッ』

ありきたりな茂みの音。最近物騒インベスゲームが人気になってきて
なんか嫌な予感があったから敏感に反応した。

逃げちゃったけどザックが静かに呟いたんだ。

「A・・」

震えた唇で、疑わしそうな目で。

「何でアイツがこんな時間に？」

なんて歩いてる時にいうもんだから

「さっきの子？」って聞くと「あぁ」って。

「最近の子だから塾とか？」

「母さんのせいか・・一回家帰るかなぁ・・」

「え？！帰っちゃうの？！」

「そうしないとAがな・・・」

何があるのか分からない、でも

ザックの大切なものっていうのは分かった。

それと彼女が繊細だということも。

俺はその時から彼女がずっと気になって戒斗に相談するんだ。

「会いに行っても良いと思う？」

って。

「勝手にしろ、ザックに何を言われても知らんぞ」

いつもみたいに無愛想に言う。

俺の頭の中の彼女は黒い世界に一人ポツンと立っていて白い光に包まれてた。