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20.便箋 ページ22

朝起きて目を開くと、いつもと同じではない光景に目が開く。


「そっか・・もう独りじゃないんだ・・・」

小さくポツリと出た言葉に眉間にしわを寄せる戒斗。

「あ・・ってまだ寝てるか・・・」


朝のんびり起きるのも懐かしく、することも無いのは寂しいので
パソコンを開いて仕事がないか見た。

プロフェッサーさんからのメールが一件。


『チームバロンと一緒らしいね。
 浸るのは君の夢だから構わないんだけど、顔ちゃんと出してね?
 湊が紅一点でさびしがってるよ』

笑いながら書いたのだろう、そーゆう方だ。

確かに彼は私の自由を望んでいてくれたし、それ故ちゃんとした給料もくれて
私は得をしていた。
だからペコと買い物なんて普通に言えた。

でも彼は私を監視するのが大好き。


―――


小さい頃、彼の父親がやっていたとある機関で彼との初交流があった。

「君、名前は?俺は戦極凌馬。なんでこんなところに君みたいな幼い子が居るの?」

「私はA・・。親が出来損ないの私が嫌いだから、見たくないって」

返事はするが・・という感じの私に彼は来る日も来る日も10分程話した。


さすがに親にばれたり、私は夏の間だけしか居なかったりだった。

「君の自由を俺は願うよ、それじゃあ・・またね」

彼のまたねにいつもみたいな冗談を感じた。
でも彼はバイトを探している私を見事引き当てユグドラシルに来させて
バイト以上の仕事を任せてくれている。


――

思えばあの出会った日から彼は私の事を調べていたようで
だからバイトも大企業のユグドラシルにポンと入れたし、仕事もくる。

あげく大きな事件などに巻き込まれずに済んでいるのだ。
家庭内以外の事は安心ではあった。


プロフェッサーの事はなかなか今でもすきにはなれないけれど
彼は素晴らしい人だし尊敬も感謝もしている。

彼の部下の湊さんも、私に受け身を教えてくれたり
ちょっとした小技(射的とか)も教えてくれて感謝している。


ユグドラシルは良い会社なんだろうなと思った。


メールに『了解しました』とだけ返事するとすぐに

『そうだ、君のおかげで良いデータが一つ取れたから臨時収入振りこんどいたよ』


と。昨日のお返しに戒斗さんとペコに何かプレゼントしよう。
そう思った朝4時半でした。

「あー・・何しよう。」

珈琲を作ってパソコンの横に置き、何気なく

『豪華に見える朝ご飯』


と検索をかけてみた。

21.朝飯→←19.寝時



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アイカ(プロフ) - 幸部若さん» なるほど! (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
幸部若(プロフ) - アイカさん» コメント有難うございます!佐野岳さんのtodayで40秒以内にクリーム〜の話を参考に17話書かせて頂きました(*^_^*) (2015年7月27日 23時) (レス) id: 9dc5aa830c (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 流石戒斗さんwww (2015年7月27日 23時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸部若 | 作成日時:2015年7月5日 23時

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