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始まりは ページ2

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前世の記憶を持って新たな生を受けて早14年
私は前世の世界とは全く異なる世界に生まれ落ちたようだった

口頭の会話は何故か前世と変わらない
しかし文面としては全く違う
初見で思ったのは、なんだかミミズのような訳の分からない文字ということ






文字も、世界も文化も全く異なるこの世界
この世界には何やら妖怪とやらがいる
人とは全く異なる、変な生き物だ

この京の都ではその妖怪たちには生き胆信仰というものがあるらしく人の生き胆を喰らい力を蓄えるのだそうだ
我が母上も外出していた時、生き胆信仰の妖怪に襲われ、殺された
それも一昨年のこと




その為この屋敷にはもう母はおらず父と私、そして妹の珱だけとなった
使用人たちはもちろんいるが、家族は母が居なくなったことで随分と寂しくなったものだ




「姉様!」

「なんだ、珱」




パタパタと駆け寄ってきたのは、可愛い可愛い妹
珱は母の死を乗り越え、今ではいつもの珱に戻った
笑顔が花のような愛らしい姫だ




「庭の桜がとても美しゅう咲いております!
一緒に見ませんか?」

「……もう、桜の時期か」

「はい!」




時とは、随分と早く過ぎていくものだ
どれだけ時を愛しんでも、無情に流れてゆく




「どれ、見に行くとしようか」

「!では!行きましょう!姉様!」

「ふふ、そう急がんでも桜は逃げないぞ」

「姉様と早く見たいのです!」




私の手を引いてグイグイ引っ張るものだから私は急かされるままに駆け足で庭へと向かった

庭には珱の言う通り見頃になった桜がこれでもかと咲き誇っている
ほら!とその桜を嬉しそうに眺める珱




「……珱には桜が似合うな」

「私にですか?」

「あぁ。とても、愛らしい」




髪についた花びらを取ってやって微笑めば、珱は顔を赤くする




「わ、私になんかよりも姉様の方が…!」

「私にはこんなにも可憐な花は似合わない」

「いいえ!姉様はなんでも似合いますわ!」

「……そんな元気よく言わなくとも」

「姉様は誰よりも美しいのですから!」




ふんす、と鼻息荒く訴える珱に私は思わず笑った

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カリディア(プロフ) - 最高です!続き楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: dddfdc4b55 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 応援してます! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポケモンラブさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆりさんさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 続き気になりすぎてやばいから更新お願いします! (2019年7月17日 16時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月6日 17時

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