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「だからな、珱」

「はい」

「私は珱に溢れんばかりの愛情を注いできたつもりだ。
未だ、母からの愛を受けるべき年頃だったからな」

「姉様…」

「私はひとつしか変わらぬがそれでも姉だ。
…私が珱の母親代わりになろうと幼き心ながらそう決めていたのだ。
私は、お前の母になれたか?」




我らももう年頃だ
父上はいずれ縁談の話を持ってくるだろう
それがいつになるか分からないのなら、今からでもこうして姉妹同士の時間を大切にしたい




「………母かは分かりませぬが、姉様はいつも私のことを思うてくれています。
それが私はいつも嬉しゅうございました。
母がおらずとも寂しくなかったのは姉様のおかげです」

「………少しでもそう思ってくれているのならば、やって来たことが間違いではなかったということだな」

「ふふ、姉様は本当にお優しい人ですね」




私など、優しくなどないというに




「私が優しいのはお前にだけだ、珱」




それを間違えてはいけない
私は、ただ珱を守りたいだけだ
この世でたった一人の、可愛い妹を




「……珱」

「はい?」

「気をつけるのだぞ」

「え…?」




ぽかんとした顔を見せる珱に私は笑みをみせ、立ち上がる




「先程も言ったがこの頃、何かと妖怪が喧しいからな。
気をつけることに越したことはない」

「姉様…」

「では、私は部屋へ戻る。珱も体を冷やさぬようにな」

「…はい、ありがとうございます」




私たちの周りに纏まりつくような見知らぬ視線
それが何もなく、終わればいいのだが




「ではな」




珱の身に何も起こらねば良い
ただ、それだけだ












(どこの誰だかは知らぬが)

(私の珱に何かあればその首切り落としてくれるわ)

護身刀→←+++++



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カリディア(プロフ) - 最高です!続き楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: dddfdc4b55 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 応援してます! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポケモンラブさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆりさんさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 続き気になりすぎてやばいから更新お願いします! (2019年7月17日 16時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月6日 17時

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