【◇】 年上のカレ、誘惑中。

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『すいません、手伝ってもらっちゃって…』

「ひゃはは、気にすんな』





2人で職員室にプリントを持って行き、



そのまま退室しようとすると、






「ついでに空き教室の掃除よろしく」





とまた頼まれてしまった





どれだけ人使い荒いんだあの担任……！！






「時間ねぇし、軽めでいっか」

『そうですね』






文句の一つも言わずに手伝ってくれる
倉持先輩に、





申し訳なさとありがたさで胸がいっぱいになる






空き教室の掃除を頼まれたのは
運が悪かったけど、




こうして倉持先輩と2人きりになれたのには
ちょっと感謝しておこう







『……あれっ？』







黒板を綺麗に消していると、




残念なことに背の低い私には届かない上の方が
なかなか消せない




ぐーっと背伸びをしても届く気配はなし






『もー……』

「貸してみ」

『あっ……！』





後ろから伸びてきた大きな手が
私が持っていた黒板消しを掴み、




やすやすと届かなかった所を消してくれた






………うわぁぁ………





きょ、距離が近い……っ！






背中から感じる温かい体温




バクバクとうるさい心臓の音が先輩にまで
伝わってしまいそう………




「ほら、消せた」

『あ、ありがとうございます……』

「……」

『……』








………あれっ？




なんで退かないんだろう？






黒板は全部消し終わったはずなのに、



一向に私の後ろから退こうとしない倉持先輩






『あの……倉持先輩？』

「………A」

『……っ？』







静かな声で私の名前を呼び、





ぽすん、と肩に先輩の頭が乗った









「………俺、限界かも」









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