【◇】 年上のカレ、誘惑中。

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「わりぃ、待たせた」

『あっいえ！お気になさらず！』

「ひゃはは、んじゃ帰ろーか」





笑いながら歩き出した倉持先輩を
慌てて追いかける





夕暮れの中2人で下校





どこかの少女漫画みたいなシチュエーションに
またキュンときたり………





「………あのさ」

『はい？』

「いつも思ってたんだけど、
なんで隣来ねーの？」





顔だけこっちに振り向きながら
少し口を尖らせてそう言われた




なんで、って言われても………





『後ろから倉持先輩が見れるからです』

「え？俺？」

『はい！』






さりげなく車道側を歩いたり、




私の荷物を持ってくれたり




私に合わせてゆっくり歩いてくれたり







そんな倉持先輩の後ろ姿が本当にかっこよくて






『すごく見惚れちゃいます』

「……」






………はっ！！




私なに無意識に変なこと口走ってんの！！






『す、すいません、気持ち悪いですよね』

「………そんなことねーよ、むしろ嬉しい」

『へっ………っわ！』

「お前こっちな」





手を掴まれてグイッと倉持先輩の横に
移動させられた





それに…………






『あ、あの……手……』

「いや？」

『い、嫌じゃないです……』






ぎゅっと大きな手に包まれてる私の手





うわぁぁ………



手、繋いじゃった………






『っ……』






男の人の手って、こんなに大きいんだ……




それに、すごくあったかい………






『えへへ……』

「(あー……帰したくねぇ)」









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