正義と悪の境界線

9話:時差って怖い ページ10

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私がこれまで旅してきた地方と違って、アローラ地方には12時間の時差がある。


カロスやホウエンなどはもうすぐ夜になるのだ。


…それは、かつて私が旅をした地方から遠く遠く離れてしまったということ。


貴「…初めまして、アローラ地方。」


どんなポケモンと出逢えるのだろうか。

アローラに着いた私は早速旅に出る…かと思うと、そうでもなかった。


ママ「さてユキ、ここにたくさんのダンボール箱があります。」

貴「…分かってる…手伝うわよもう〜」


引っ越した新しい家の大量のダンボール箱の片付けが私たちを待っていた。

アローラを巡る旅に出るのは、もう少し先のことになりそうだ…



貴「あ〜、早くポケモン欲しいな〜」

ママ「ちゃんともらえるわよ。ニャース、このガムテープもお願いできる？」

『ぬにゃっ！』


ニャースはダンボールに貼られているガムテープに、正確に切り込みを入れていく。


貴「ニャースは本当に役に立つね。」


開けてもらったダンボールから食器や日用品を取り出す。

昼を過ぎる頃にはダンボールをいくつか残すだけになった。


貴「うー…眠い…」


自分の部屋の片付けをあらかた終えて、ベッドに横になる。

本当に時差って怖い。


貴「ちょっとだけ…ちょっとだけなら…」


そう呟いて、気持ちのいい午後のまどろみに落ちていった。

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