130話 ページ44
急いで私は先生の元へ歩いた。
診察室に入ると紅先生はどーしたのー?といつもと同じペースで言った。
『先生。私人生で一番悔しい。』
椅子にもすわらず入ってすぐこんなことを言い出す女がいただろうか。
先生も戸惑っていた。
紅「...俺が見える?」
微かな私の視界で先生が私を見て話しているということは認識できた。
顔を上げて先生であろう目の前の人を見る。
紅「っ、」
顔を上げた途端また堪えてた涙が流れた。
左目だけは止まることを知らない。
もう止めようとする意思すら届かない。
もう見ようとする力も働かない。
『片目だけ失明...しちゃった...』
これからだったのにこれから撮影もライブも握手会も色んなことがあったのに。
それでも片目だけでよかったと受け入れるべきなのに
もうね右目も視力が低くて色も曖昧なの。
みんなのイメカラがどんどん灰色に近づいていくの。
怖いの
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あれから検査を受けた結果左の目につながる神経が機能しなくなっていたことを知った。
腐ってしまったのだ。
"見る"という指令ももう届くことは無い。
こんなに進行が早かったのは動画編集やゲーム撮影などで明るいところから暗いところへの激しい移動や目の使いすぎ、病気のせいで何もしなくても低下していくのにそれを早めたのは自分だった。
精神的な面でもボロボロだったため進行ははるかに早かった。
右目も失わないように。とだけ紅先生に忠告された。
分かってます。自分が一番。
泣いてなんて居られない。片目だけでも生きているのだから
『頑張ろう』
さすがにリスナーさんはもちろんのことメンバーにも言えない。
なんて言われるか情けないけど今でも怖い。
それに心配かけるわけには行かないからね。
できる限り頑張ると決めたの。
明日成功しますように。
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花優月(プロフ) - のんさん» ありがとうございます(><)この作品を見つけてくださったこと、読んでいただけたこと見ていきたいと言っていただけたことがとても嬉しいです。本当にありがとうございます。占ツクをやれて良かったです! (2022年1月5日 23時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 全然変じゃないです。私はこのような作品を作ってくださってとても尊敬しています!私なんかが言える立場じゃありませんが、生きて頑張ってください。応援しています!ずっとこの作品をみていきたいんです! (2022年1月1日 21時) (レス) @page26 id: 00dda6d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
花優月(プロフ) - mol(モル)さん» 私のこそ救っていただいてる身なので感謝しかないんですよ。 本当にありがとう。 (2021年11月21日 22時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
花優月(プロフ) - mol(モル)さん» モルさんの言う通り死にたきゃ死ねばよかった。けど出来なかった。だから生きるしかなかった。ありがちな言い訳ですwモルさんの言葉、とても嬉しかったんです。今の私には死んでもいいんだよって言って貰える方が楽な気がしたんです。ありがとうございます。 (2021年11月21日 22時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
花優月(プロフ) - mol(モル)さん» 返信が遅れてしまってすみません。まずはご覧いただきありがとうございます!コメントもとても嬉しかったです。死にたくなくて自傷も薬もしていたんです。でもやっぱり親は死にたいんだと思ったんだと思います。まぁ仕方ないんですけどねw (2021年11月21日 22時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花優月 | 作成日時:2019年9月29日 1時