仲間 ページ8
__スバルくんは、怯える事しか出来ない私に手を差し伸べてくれた人だった。
プロデュース科に入学した頃__
私がメインでプロデュースするユニットが、TrickStarに決まった。
彼らがフォークである事を知っていた私は、怯えながらプロデュースに向かった。
「は、初めまして・・・花咲あんず、です・・・」
挨拶をした私の声は酷く震えていて、プロデュースなんて出来るのか?と疑われても仕方ない様子だっただろう。
「君が俺たちのプロデューサー?ねえねえ、今からパフォーマンスするから見ててよ!」
「えっ、あ、あの・・・」
戸惑う私を放って、彼らはそそくさと準備を始める。
音楽が流れ出し、彼らは歌い踊り始めた・・・
アイドルにはそんなに詳しくなかった。
中学時代、周りの友達がアイドルの熱狂的ファンだったが、私は暇つぶしに曲を聴く程度だったのだ。
間近で見る、アイドルのパフォーマンス。
決して簡単ではない振り付け。歌いながら踊るのはかなり大変だろう。
しかし、彼らは笑顔だった。
私に向けて、笑顔で歌っていたのだ。
「すごい・・・っ!」
曲が終わった後、私は大きな拍手を贈っていた。
「良かった、笑ってくれて!」
スバルくんが私に近寄り、私の手を取った。
パフォーマンスをした直後なので、彼の手は熱い。
「俺たちは・・・あんずを食べたりしないよ。すぐに信じろとは言わない。でも、さっきのあんずの笑顔はキラキラしてた!それを失いたくはないんだ。」
私の笑顔がキラキラしていた?
そんな事、初めて言われた。
いつも狙われていた。いきなり舐められたり、噛みつかれたりもした。
フォークにとって大事なのは、私の体。
私の感情なんて、どうでもいいのだ。
「フォークだらけの学院に来て、怖いのはすごく分かるよ。でも、俺はあんずの笑顔が見たい!せめて俺たちといる時だけでも、笑ってほしいよ。あんずを笑顔に出来るように、俺たちも頑張るからさ!」
「・・・信じて、いいの?」
私の声は僅かに震えていた。
心のどこかでは、すでに彼らを信じきっている私がいる。
「うん!すぐに無理して信じる必要はないからさ、ゆっくり仲良くなろ!よろしくね、プロデューサー!」
すぐに信じるなんて馬鹿だと思う。
彼らはフォークなのだから。
でも、スバルくんの笑顔に濁りを感じなかった。
「よろしくお願いします!」
これが私とTrickStarの出会いだった。
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ユミカ(プロフ) - はる。さん» コメントありがとうございます!まだまだ少ないですよね〜泣・・・もっと増えてほしいですね! (2017年7月4日 20時) (レス) id: adf92d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
はる。(プロフ) - ケーキバース…。なかなか少ないので嬉しいです! (2017年7月4日 15時) (レス) id: 905d58e753 (このIDを非表示/違反報告)
ユミカ(プロフ) - ゆーのんさん» コメントありがとうございます!かっこいい主人公を意識して書いているので嬉しいです♪更新頑張ります・・・! (2017年3月7日 21時) (レス) id: 424560f613 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーのん(プロフ) - 主人公かっこいいですっ!このあと、どのような展開になるのか楽しみです!頑張って下さい! (2017年3月7日 21時) (レス) id: 50705d236f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユミカ | 作成日時:2017年3月5日 19時