【マギ】王様ゲーム〈悲哀〉

犠牲 ページ26

❇︎Aside❇︎

生き残った金属器使い達が帰ってきた。

みんな暗い表情をしている。

とくにアリババ。

その顔は泣いたせいで目が腫れていて、今でも鼻をすすっている。

A「おつかれ……辛かったね」

あぁ、と素っ気ない返事をし、呼吸を整えているアリババに、ミュロンが詰め寄る。

ミュロン「お前が兄さんを×したのだ！お前のせいで、兄さんは……‼︎」

たしかに、ミュロンとロゥロゥの気持ちもわかる。

このわけのわからない状況で、大切な人がいなくなったら私だってそうなるだろう。

でも誰か1人、必ず犠牲は必要だ。

アリババ「ミュロンさん、ロゥロゥさん、本当にすまなかったと思ってます。ムーさんも、すまなかったと言ってくれと……」

その後、アリババはムーさんから聞いた事を全て話した。

ロゥロゥ「そうか……ミュロン、団長の望みだ。アリババを許そう」

ミュロンも理解したのか、悔しそうに頷く。

ごめんなさい、ごめんなさいと、何度も小さい声で呟くアリババを、そっと抱きしめるモルジアナ。

このゲームはいつまで続くのだろう？

こんなことをして、得をする者はいるのだろうか？

みんなが肩を落としている中、ただ1人笑っている者が居ることなど、知る由もなかった。

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