【マギ】王様ゲーム〈悲哀〉

目の当たり ページ23

❇︎アリババside❇︎

どうしよう。

紅覇皇子に一言いったのはいいものの、睨まれてWild Draw Forwを出されてしまった。

俺の手札が一番多いんじゃないか？

今何ターン目だろう、とうとう上がる人が出てきた。

一人、また一人と、席を外していく。

今の俺には『焦り』しかなかったが、紅覇皇子が上がったことで手札は順調に減っていった。

そして残り四人になり、残っているのは俺、ドゥニヤ、ムーさん、紅明さん。

それぞれからいろんな表情が読み取れる。

冷静な人、死にたくない、とつぶやいている人、何かを決心したような人。

みんな気持ちは同じだ。

次は俺の番……。

出すカードはたくさんある。

ここは数字カードでいいか。

そしてドゥニヤさんの番になった時だった。

ドゥニヤ「いや……。もう嫌‼︎ 私こんなのやってられませんわ‼︎」

静かな空気の中、いきなりの叫び声に、みんな一斉に視線がドゥニヤに集中する。

ドゥニヤ「帰りますわね！」

バンッ！とカードを叩きつけ、勢い良く立ち上がった、その時だった。

『ドゥニヤサンガルールヲ破ッタタメ……』

あの無機質な放送。

たしか、ルール違反って……。

『処罰トシテ、首切リノ刑ヲ与エマス』

放送を聞いた時、この部屋にドゥニヤの叫び声がこだました。

気づくと、彼女の足元は真っ赤に染まって、次に彼女に目をやった時は……。

首に綺麗な切れ目ができて、首から上はすでになかった。

目の前の光景を目の当たりにした俺は、また吐き気に襲われる。

……これで2人目。

ゲーム終了→←数字カード

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す