【マギ】王様ゲーム〈悲哀〉

ルール違反 ページ21

❇︎Aside❇︎

薄暗い部屋の中で、私たちはゲームの行方を見守っていた。

アリババは……？

ダメだ。

ここからでは手札は見えず、どういふう状況なのかは理解できない。

そして8ターン目が終わろうとしていた時だった。

急に紅覇が立ち上がり、モニターから消えて行った。

もしかして、もう上がったの⁉︎

それからは、紅玉、シンドバッドさんと、次々と勝ち上がってゆく。

……が、アリババは立つ素振りさえ見せない。

残りはすでにアリババを含み四人となっていた。

そして四人のうちの一人、ドゥニヤが立ち上がった。

残りは三人か……。負けてしまうんじゃないか？

そう思った時、音声放送がホールに鳴り響いた。

『ドゥニヤサンガルールヲ破ッタタメ、脱落トナリマス。処罰トシテ、首切リノ刑ヲ与エマス』

……え？

A「ドゥニヤは上がったんじゃなかったの？」

そう呟いた瞬間。

ここからでもわかる。

ドゥニヤの下の床が、少しづつ、少しづつ真っ赤に染まってゆくのが。

そして私が目を伏せた時、その音は聞こえた。

ゴトッ

何かが鈍い音を立てて、床に転がり落ちるソレは、きっとドゥニヤの……。

トト「うっ……」

トトはそれを直視していたらしく、口を押さえてうずくまった。

まだゲームは終わらない。

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