検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:5,989 hit

8皿目 しつもんです ページ10

「Aってさ、恋したりしないの?」

肘をついて、余裕そうな表情を浮かべる。
パンが喉に詰まり、思わず咳き込んだ。

「な、なに?急にどうしたの?」

今回のことを言いたいのだろうけど
ここで折れたら負けな気がした。

「だーかーらー。
俺は彼女ができたら真っ先に言うのにさ
Aは全然教えてくれないしさ。」

不服そうな声色で子供みたいに言う。
水を口に含み、飲み込むと唇を湿らした。

「そもそもね、
Aが誰かを好きになるとこ
見たこと無かったわけ。
実際、恋しないの?」

食べかけのサンドイッチは忘れられ
いっちーはお話モードだ。

「そんなの知らない。
だって私は今までお店を一筋に考えてたし
恋なんてしたことないわ。」

お店一筋だったのは嘘ではない。
料理に必要なことは全部やってきたつもりだ。

ただ、そんな話をしているなかでも
浮かんでくるのはモトキさんだった。

…わからないよ。
こんなにドキドキしたことないから。

「あ、今、あのお客さんの事考えたでしょ。
ちょっと嬉しそうな顔した。」

図星だ。ただひたすら恥ずかしくて
顔が朱に染まるのがよくわかった。

「…食べ終わったなら持ってくから。」
そう言って皿を持ち上げると
あぁ、待ってーと口一杯に頬張った。
その間に皿洗いのフリでキッチンへ逃亡。

これ以上言われたらパンクしそうなほど
あなたで一杯なんです。

全然嫌な感じはしないけど、苦しくて
甘ったるくて、何もかもが嬉しい。

…恋だって認めるのが怖いんだ。

皿洗いを始めてから、
いっちーの猛攻撃はなくなった。

ちら、とそちらを覗くと
いつも通りスマホゲームに熱中していた。

これならもう安全だろう、
いつもの作業に没頭していると
嬉しそうな低音が何かを呟いた。

「何かあったの?」
もう一度顔だけ覗かせると
嬉しそうに「何でもないよ」と言った。

「…Aにも春が来たのかぁ。」
なんて言ってたのは私が知らない話。

9皿目 はるのかおり→←7皿目 れっつわーく


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:Fischer's , モトキ , 癒兎。
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

癒兎。(プロフ) - 月影さん» ありがとうございます!!長らくお待たせしてしまいすみませんでした…。前と同じようにとはいかないかもしれませんがときめきをお届け出来るように頑張ります…! (2019年1月11日 8時) (レス) id: 5048cf402c (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - →これからもまだまだ大変だとは思いますが、貴方様のペースで更新頑張ってください!!私は正座待機でお待ちしております!((これからの話がとっても楽しみです!! (2019年1月11日 6時) (レス) id: 5b225cb903 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - コメント失礼します。受験お疲れ様でした!更新される日を楽しみにしていたので嬉しいです!パスワード忘れちゃいますよね(笑)私も前書いていた時に忘れちゃったことあって大変でした(今はもう消してしまったんですけどね(汗)→ (2019年1月11日 6時) (レス) id: 5b225cb903 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:癒兎。 | 作成日時:2019年1月11日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。