1皿目 きらきらどりーむ ページ2
「ねえ、A。
あなたは将来、何になりたいのかしら？」
穏やかな声が私に呼びかける。
顔をはっきり見ることができない。
だけどわかる。お母さんだ。
「Aはねぇ…
ママのカフェでお料理するの!!」
この女の子が私だろうか。
無邪気な笑顔が眩しい。
そうか、私は今昔の夢を見ているんだ。
私が純粋で平凡で幸せだった頃の…。
「…!! そう。素敵な夢ね。
きっとAなら出来るわ。」
そういってお母さんは
小さい私の頭を優しく撫でる。
見てるだけで心がぽかぽかするような
そんな気がした。
「ねぇねぇ、ママ。
A、ママのオムライスが食べたい。」
小さい私はお母さんのエプロンの裾を
ちょいちょい、と引っぱった。
「あら、もうお昼になるのね。
それじゃあ一緒に作りましょうか。」
うん!!と明るい返事が聞こえると
この空間は微笑みで満たされる。
手早く材料を準備するお母さんと
それをうっとりと眺める小さな私。
キッチンに並ぶ二人の影は
理想の家族像といってもいいくらいだ。
今の私には手の届きそうもないくらい
キラキラした日常が広がっている。
大きな私はアンティークで統一された
椅子に腰かける。
どこよりもここが落ち着いてしまうから
不思議でしょうがないのだ。
ふわりと香るバターと
フライパンの上で踊るチキンライス。
お母さんの手際のよさは
まるでパフォーマンスのようだ。
その隣では、卵をかき混ぜる小さな私。
必死にお母さんに追い付こうとする
過去の自分が可愛らしく見えた。
そして母の手によって
ただの卵がふわふわに変化をとげる。
それが魔法みたいで好きだったなぁ。
出来上がると満足そうな表情を浮かべて
趣味のいい椅子につく。
「A、ケチャップでなに書こうか。」
笑顔で問いかけるお母さんにお花!!と即答。
お花が好きなのは変わらないんだなぁ。
オムライスに咲いた花をじっと見つめると
心にしまい込むかのように目を閉じた。
「ママは何を書いてほしい？」
ケチャップを手にして聞き返す。
そうねぇ…と迷ったあとに
ハートを書いて、と笑った。
お母さんのオムライスに詰めたハートは
私なりの精一杯の愛情だったはず。
「あら可愛い、Aありがとう。」
微笑むと二人して手を合わせる。
このキラキラした夢を私は何度も見る。
でも、今日はなんだか違う気がした。
…そんな講義中の微睡み。
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癒兎。(プロフ) - 月影さん» ありがとうございます！！長らくお待たせしてしまいすみませんでした…。前と同じようにとはいかないかもしれませんがときめきをお届け出来るように頑張ります…！ (2019年1月11日 8時) (
レス) id: 5048cf402c (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - →これからもまだまだ大変だとは思いますが、貴方様のペースで更新頑張ってください！！私は正座待機でお待ちしております！((これからの話がとっても楽しみです！！ (2019年1月11日 6時) (レス) id: 5b225cb903 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - コメント失礼します。受験お疲れ様でした！更新される日を楽しみにしていたので嬉しいです！パスワード忘れちゃいますよね（笑）私も前書いていた時に忘れちゃったことあって大変でした（今はもう消してしまったんですけどね（汗）→ (2019年1月11日 6時) (レス) id: 5b225cb903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒兎。 | 作成日時：2019年1月11日 1時
