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其ノ壱、式神童子ト守護ノ妖 ページ9

「へ?式神童子?取り憑く?ラウが?」

「はい。恐らく、ですけど。」

当のラウール本人はポカン、とした様子で立ち尽くしている。早く変化を解きたかったのか、握っていた拳を解いて包帯を巻き直し、捲っていた袖をはらり、と落として、蓮は二人に向き直った。

「…まず、一つ質問なんですけど、この子はいつ、どこで出会いました?」

「え、昨日…何かに襲われた日の1日前。そこの山に行って、キキョウが良く生えてるあの…山奥の神社で、倒れてるラウを助けたんだけど。」

山奥の神社、という言葉を聞いて三人の妖の顔色が変わる。急に身を乗り出して肩を掴んできた照に驚いて、思わず少し顔を後ろに引いた辰哉は、その質問の内容に首を傾げた。

「え?他に何か居なかったかって…どういうこと?…っていうか近い!」

「倒れてるこの子の他に、別の生き物が居なかったかって聞いてんだ!何でもいい、何か周りにいなかったか?」

「べ、別に何もいなかったと思う…俺、霊感とか無いし、そういうのも見えないだけかも知れないけど、俺ら位だよあそこに居たの。」

その言葉に、三人はうーん…と唸る。何やら引っかかっているらしく、佐久間は何かをブツブツと呟いていた。

「…っあの…ひ、照、くん?顔近いんだけど…」
「っあぁ、悪い…別にくん付けなくて良いんだけど。『長い付き合いになりそうだし』?」

その言葉に辰哉は引っかかったものの、流し目で笑う暗い紅色に思わず目を取られる。妖って目、紅いんだな、とどうでもいいことを考えて頭を振った。

「式神童子、っていう妖は、大昔の陰陽師に使えた式神の子供みたいなもん。懐いた相手とか、自分の主人を護ってくれるから、悪い妖じゃ無いんだけどな…」

「妖からしてみたら、気配が独特だからすぐ分かるんだよね〜。んで、式神童子が憑いてる人間に寄ってきちゃう、って訳!辰哉が襲われたのも多分其の所為だね!」

「因みに昨日辰哉さんを襲ったのは(てん)って言う妖。一体だったらそれ程でも無いんだけど、何匹か連れ立って他の何かに化ける、たち悪い妖です。一応退治はしたのでもう出てこないとは思いますけど。」

懐から瓦版のようなものを出し、ぴらりと翻したその表には、猫とも犬ともつかない、奇妙な小さい動物が描かれていた。

「こんなのが、あんな怖いのに化けてたのか…」

「で、一つ話があるんだけど…」
「あ、言っちゃう?言っちゃう?」
「…辰哉さん、俺らと契約しませんか?」

「…え?」

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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました!楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします! (2021年1月27日 7時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました!これからもお話楽しみにしています! (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます!リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました!お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー!リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか?橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします! (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉月 | 作成日時:2020年5月30日 12時

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