、 ページ22
涼｢さてと…どうする？まず聞き込みから始めてみる？｣
蓮｢なんせ初めての依頼だし…でも、何となくの目星はついた、かな。｣
佐｢え?!めめ早くない？！｣
照｢俺も。何となくだし、確証は持てないんだけど。｣
康｢…俺も。昔似たような事があったって聞いた事あるしな。｣
翔｢…真逆、とは思うけどな。彼奴今迄大人しくしてただろ。｣
涼｢矢っ張り皆そう思う？俺も、ただの失踪とは思えないし、多分そうだとは思ったんだけど。｣
佐｢え？何々？俺だけわかってないの？｣
不安そうに佐久間の大きな目がうろうろと宙を彷徨う。見かねた照が、佐久間、と声を掛けた。
照｢良く考えてみろ。子供が突然消えた、山に何かが居る…こんだけあれば、誰がやったかぐらいは簡単に想像が着くだろ。｣
佐｢山、子供…って、真逆、あいつのこと？！｣
照｢やっと分かった？…子供を攫ってるのは、あそこの山に住んでる、『天狗』だよ。｣
『天狗』。その言葉を聞いた妖達の表情が引き締まる。
子供を攫う、なんて云うのはことこの時代においては有名で、巷では『天狗攫い』等という名前までつけられていた。
何故攫うのかは解らないが、事情を聞く限り限りなく近いのは、この『天狗攫い』である。
佐｢でも天狗攫いが前にあったのは数十年も前の話でしょ？！あの時は直ぐに子供が帰ってきて事は収まったし、あの天狗だって何処かに行ったんじゃなかったの？｣
照｢そこら辺のことは分かんねぇ。何せ俺らも彼処には近づかなかったしな。…でも、狡賢い彼奴が戻って来て又子供を集め始めた、なんて事があっても不思議じゃない。｣
蓮｢完全に退治はしなかったし…彼奴ならきっと、やりかねないとは思う。嫌な気はしてたしね…｣
康｢ってことは、今度は完全に封印せなあかんのか…面倒やな。｣
涼｢…どっちにしろ、ふっかの力は必要になりそうだね。帰ってくるのを待ってから…って、嗚呼、良い所で帰ってきたみたい。亮平も。｣
がらがら、と音を立てて開いた扉から入ってきた辰哉は、此方を見る目に思わずたじろぐ。ただいま、と言おうとした口は、半開きのまま暫く止まっていた。
照｢おかえり。二人一緒だったの？｣
辰｢亮平と偶々そこで逢ったんだけど…え、何？｣
亮｢何？辰哉どしたの…って、あれ？なんかあった感じ？｣
辰哉の後ろから顔を覗かせた亮平も少し口角を上げて首を傾げた。手招きされる儘に家に入った二人が畳に上がると、妖達は代わる代わる説明を始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1064人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
