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ゆっくり瞼を開けると、先程の鮮烈な光は無くなっていた。戻ってきた視界に瞬きをしていると、瞬きの合間に妙なものが見えた。
｢っえ、何?!手の甲に何か浮かんでるんだけど…なんて言うんだっけ、これ、五芒星？｣
｢些か簡単だけど、契約した印、って所だな。…じゃあこれから宜しく、主人。安心しろ、何か合っても俺が絶対護ってやるから。｣
｢よろしくー、ご主人様！猫は気まぐれだけど、何時でも呼んでくれていいからねー！佐久間さん助けに来ちゃうから！｣
｢俺もっす。一応妖の中だと『視野が広い』方なんで。何かあったら飛んできますんで。｣
着物の袖をひらひらと振って嵐のように姿を消した三人…否、三匹だろうか。その背中を呆気に取られたように見つめていた辰哉の腰に、突然、衝撃。
下に目をやると、悪戯に笑うラウールが腰に抱きついていた。
…この子が、人間の子にしか見えないこの子が、妖、なのか…
伝わってくる少し高めの体温も、此方を見上げる無邪気な目も、そこらの子供とは何ら変わらないように見える。…この子は本当に妖なのか、と疑う気持ちを隅に追いやって、ラウールの頭をぽんぽん、と撫ぜた。
｢…はぁー！『今回』も面白い主人に会えたな〜、皆に早く教えてあげよっと！｣
｢それより俺、ここから帰んの面倒なんだけど…佐久間、背中でいいから乗せて。｣
｢やだよ！照みたいな筋肉質な妖乗せたら、華奢な佐久間さんの背骨がボキッと折れちゃうでしょ？幾ら妖とはいえ、骨折は痛いから！｣
｢じゃあ『康二』でも呼びますか？吹雪で飛ばしてもらうのも中々面白いっすよ。｣
｢…嫌だ。あれ怖いし…何より、鬼は寒いの苦手なんだよ。『康二』とは相性悪いの。｣
｢とか言って、仲良しな癖に〜！あ、『舘様』呼ぶ？妖狐なら何かしら移動手段あるかもよ？｣
｢でも、尻尾振り回して飛ばすとかだったらどうするんですか。だったら俺は、『翔太』くん呼んで水に流される方がよっぽど良いですけどね。｣
｢でも彼奴良く迷子になるだろ。…しょうがない、普通に歩いて帰るか…｣
｢偶には良いんじゃない？最近『阿部ちゃん』も二人乗せるのは無理…って言ってたしね。｣
｢烏天狗も難儀なものだよな…さて、帰るか…ん？｣
｢如何したの？照。｣
｢なにか気になることでも？｣
｢…この白い花…っ、いや、何でもない。ほら、帰るぞ。｣
照の大きな手が離れると、鈴蘭はゆらゆらと揺れる。あたかも、遠ざかる三人を嗤うように。
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
