傘の無い雨は暖かい【オリジナル】 (ページ2)

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出会いの雨ページ2

今日も雨。
昨日よりも少しは穏やかになってきている。
明日は晴れかな…？
眠気を振りほどいて、台所へ向かった。

いつもと同じ。
オムレツと珈琲と小さなロールパン。
食べ終えた私は、また本を取りに行くのだった。
A「いつもと変わらないなぁ…」
暗い声と雨音。
これも変わらない。

？？？「すいません…誰か…いらっしゃいますか…」

ここは人気の一切無いところだぞ？
幻聴？

あまりの恐さで足がすくんだ…
動けない…

？？？「誰か居ますか？」

A「うぅ…」

？？？「！」

？？？「居た…」

A「！？……」

なんで…ここから玄関に行くには1分すぎるくらい懸かるのに…?
それと気づかなかったけど、ここから玄関からの声が聴こえるはずも無いのだ。

？？？「あの、大丈夫ですか？」
A「は………………い」
彼の手を取り、震えた返事で立ち上がる。
A「えっと…何方様でいらっしゃいますか？私に何の用で……？」
聞きたいことは沢山あるが、まず名前と用件を。
？？？「急に押し寄せてすいませんでした。あまりにも苦しそうな声でしたから。
俺の名前はアリアス。もう1人、向こうに待たせているので、連れてきても
良いですか？」
A「あ…はい。」

しばらくすると、女の子が来た。

？？？「あなたが声の持ち主…？」
A「え…あ、はい。。。」
？？？「すごく懐かしい」
A「え？」
？？？「いや、なんでもありません。私の名前はラフィネ。呼び名はなんでもいいわ。
貴方は？」
A「私はAです。じゃあ…よろしくね…ラフィネ……ちゃん？」
ラフィネ「よろしくね」

この子からは少し懐かしい匂いがする

なにかを…失っていたのかもしれない…

アリアス「俺ら、この森は来たことなくて。ずっと雨が降ってるとこだとしか情報
はなくて。。。それで気になったので来てみたんです。そしたらまさか…
人が居るとは…」
A「そうゆうことだったんですね。。。」

外をふと見た。

やっぱり雨だった。

アリアス君の居るところに目を戻した。
アリアス君が…居ない…
A「アリアス…君？」
ラフィネ「気にしないで。彼奴なら大丈夫よ。」
A「でも…」
ラフィネ「そのうち帰ってくるわ。初対面の人に心配だなんて、貴女優しいのね。」
A「……」
なんだろう。何故かラフィネちゃんに褒められると、素直に喜べない。罪悪感が私を
襲っている感じだ…

今日も雨だった。