検索窓
今日:13 hit、昨日:15 hit、合計:168 hit

シリーズ最初から読む | 作品のシリーズ [連載中]

「……………」

「ねぇ、これって失敗じゃ───」

「違う‼︎」

青空にぽつんと浮かんだ大きな飛行船のキッチンには2人の少年少女がたたずんでいる。

ピンクとブルーのエプロンをそれぞれつけている2人は目の前にある、スコーンだったものの残骸顔を青くして見ていた。

「でも、これどうみても失敗だよ」

少年は、青い瞳を細めていう。

「違うもん…」

少女は、目に涙を溜めて言った。

「………………つくり直す?」

少年は、まだある材料を指差して言った。
________

月の光をそのまま閉じ込めたように美しい銀髪を持つ彼、あるいは彼女はキッチンの様子を覗き見て、不意に微笑んだ。

そこには粉まみれの床と、牛乳のこぼれた作業場、散らばったチョコレートのカス、生地のついたオーブン。

みる人がみれば片付けが億劫になるほどの散らばりようだが、彼、あるいは彼女は幸せそうに微笑んでいた。

目の前にいるのは仲良く椅子を並べ、レシピの本を覗き込んでいる2人が。

しかし、途中で力尽きてしまったのだろうか、粉まみれの顔に穏やかな寝顔を浮かべている。

彼、あるいは彼女はそっとカメラのシャッターを切った。執筆状態:連載中

シリーズの最初から読む



































おもしろ度の評価
  • Currently 10.00/10

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2024年4月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。