第二十四篇 想い出 ページ24
·
カチャリ、と装填の音が医務室に響き渡る。
机の上に有る使いかけの薬やカルテは、昨日まで彼女が生活していた事を証していた。
「……先刻病院から電話が掛かってきた。幸介の容態は大分安定したそうだ。安心しろ」
織田は、誰も居ない医務室に語り掛けた。
まるで徳富に話しているかの様に。
そして外套のポケットから小さな手帳を取り出した。
昔徳富から貰った物だ。
───『織田作、小説書くんでしょ?此れに書いてよ。私特製の手帳でね、上質な紙なの』
「何故表紙に青い鳥のマークが印刷されているんだ?」
『一目見て私が作った手帳って判るように!』
そう云って悪戯っぽく笑っていた。
「……悪い、蘆花。この手帳はもう使えない」
織田は呟くと、手帳を机に置いて医務室を出て行った。
想い出に蓋をする様に。
織田が閉めた扉が、カラリと淋しげな音を立てた。
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» 仕方ねぇ続けるべ☆いぇい☆ (2022年12月22日 14時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» 辞めたら………いやなんもしないけどほら。私はさ。プリ小説やってるし?私の思いもこめさんに継いでもらうって決めてたし((((((((殴 (2022年12月22日 14時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» うぅ〜……私も最近占ツクしんどくなってきたし辞めちゃおっかな… (2022年12月21日 3時) (レス) id: 3c5b67e3ca (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» まじだよ (2022年12月20日 18時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» マジかよ…… (2022年12月20日 11時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こめこめコメダ | 作成日時:2022年11月5日 19時