第五篇 着信 ページ5
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「市警に連絡が行かぬように手を回せ。それから掃除屋を呼べ。死体を運ばせる」
広津とその部下は、海岸護岸で三つの死体を囲んでいた。
「彼ら三人に家族が居たか調べよ。もし居れば家族には私から連絡する。……それから間もなく幹部がお着きになる」
「おはよ〜皆さん」
上から降ってきた声に広津は顔を上げ、其方を向いた。
「一寸待ってね、今この難関面をクリアするところだから。……あ〜マズい!抜かれた!」
「はっ……」
広津達が頭を下げるも、太宰はお構い無しにゲームに熱中している。
太宰は顔を歪めてゲーム画面を睨んだ。
「食らえ爆撃……ゲッ、避けられた」
「太宰殿……ご足労恐縮です。武器庫警備のものが撃たれました」
「ポートマフィアの武器庫を狙うなんて命知らずは、久し振りだね〜」
「各々九ミリを十発から二十発受けて即死。その後武器庫から銃火器が盗まれました」
「じゃあ見てみるよ。これお願い!」
「えぇっ!」
太宰が広津にゲーム機を投げる。
広津はギリギリゲーム機をキャッチし、わたわたと操作している。
「たたっ、急に渡されてもっ……」
慌てている広津を余所に、太宰は死体を見た。
この弾痕の数で貫通って事は、近距離からサブマシンガンか……
太宰は眉を顰めた。
「……かなりの手際だ。期待させてくれるね」
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日が暮れ始め、茜色に染まった空を海岸で眺めていた太宰の元に電話が掛かってきた。
〈太宰か?〉
「珍しいねぇ、織田作から電話なんて」
〈狙撃された、安吾の部屋だ。今狙撃手を追ってる。古書通りの向かいにあるビルが狙撃点だ〉
「逃げ道を塞げって事だね」
太宰は波消ブロックから立ち上がった。
〈今手元に銀の託宣がある。必要なら……〉
「よせったら。……私が行くまで、余り無理はするなよ」
電話を切ると、今度は違う人に電話を掛ける。
三コール目でカチャリ、と繋がる音がした。
《もしもし、》
「蘆花。今直ぐ古書通りの裏路地に来てくれるかい?」
《え、どういう事?今書類片付けてる最中なんだけど》
「織田作と君に話したい事があるんだ」
《……判った。直ぐ行く》
電話がプツッと切れる。
それを確認して、太宰は走り出した。
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こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» 仕方ねぇ続けるべ☆いぇい☆ (2022年12月22日 14時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» 辞めたら………いやなんもしないけどほら。私はさ。プリ小説やってるし?私の思いもこめさんに継いでもらうって決めてたし((((((((殴 (2022年12月22日 14時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» うぅ〜……私も最近占ツクしんどくなってきたし辞めちゃおっかな… (2022年12月21日 3時) (レス) id: 3c5b67e3ca (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» まじだよ (2022年12月20日 18時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» マジかよ…… (2022年12月20日 11時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こめこめコメダ | 作成日時:2022年11月5日 19時