双黒幹部様の仰せのままに…(文スト)

任務完了(太宰said) ページ15

救護班が来て



緊急治療室に運ばれて



どれくらい時間が経ったんだろうか



紅「太宰……」



姐さんの声が前から聴こえた



紅「Aは…「姐さん…」



中「本当に…御免…」



私と中也がAを任務に連れて行かなければ



「姐さん…私達は合わせる顔がないよ」



"だから"と、そう言おうとした時



紅「太宰…中也…誰も悪くない」


姐さんは私達に歩み寄り、手にそっと触れて握った



紅「だから、吾を責めなくていい」


姐さんの握る手はとても暖かくて



紅「…Aに会ってくるんじゃ」


紅「大丈夫、Aはそんな娘で無かろう」


紅「それは、お前達が1番解っておる」



いつも、どんな時も、背中を押してくれる



黒服「…尾崎幹部、オペが無事に終わりました」



手の震えを抑えて


扉にそっと手を掛ける



中「いくぞ…」



中也の掛け声と共に扉を開けた









開けた先に、鼻に来るツンｯとした消毒の匂い


白い天井と床


そして…カーテン



ゆっくりとカーテンに手を伸ばし

少しずつ開ける





そこには


痛々しい姿の彼女


心がキュッと締めつけられる






肩に出来た傷口には包帯を巻かれていて


白く細い腕には点滴が刺さっていた





彼女に近付いて、透き通る髪を掬う



「A…君のおかげで任務は成功したよ」


「成功に基づいて、飲みに行こう」


「Aが行きたがってた所」


「私が連れていくよ」


「A」


「A……」



呼び掛けに答えない彼女に、何度も名前を呼ぶ



中「いつもの笑顔はどーした…」


中「暗い話は嫌いなンだろ」


中「A…」





太/中「戻ってきて/こい…A」

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