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ひんやりとしたものが額に触れた。ゆっくり浮上する意識とともに目を開けると、まだぼやけた視界でハッキリとは見えないがすぐ近くに誰かがいることは分かる。でもその肝心の誰かがよく分からない…。
｢大丈夫ですか？｣
｢えっ、じゅー…銃兎さ、ん？｣
｢はい。貴方の入間銃兎ですよ｣
なんて、冗談を私に言えるのはこの世でただ一人。入間銃兎。私の恋人だ。
起き上がろうとすると背中を支えてくれてその何気ない気遣いにまた惚れ直した。
｢具合はどうですか？｣
｢完全復活、とは言えないけどまぁある程度は良くなったかな…。て、ていうか、なんで銃兎さんが私の家に居るの？家の鍵、私は渡してないはずなんだけど｣
まさか、ついに犯罪に手を染めたか…と疑いの目を向けると何を思われているのか察した銃兎さんは、胡散臭い笑みを浮かべた。
｢今日の朝方にお前のお母様から連絡が来たんだよ。Aが熱を出して家に一人だから、仕事の合間でもいいから顔を見に行って欲しいって｣
私の問いに答えながら、銃兎さんは私に体温計を差し出し測るように促した。意識はまだぼーっとしているけれど、なんとか２、３個ボタンを外して、脇に体温計を挟む。またヒヤリとした感覚にブルりと身震いする。
｢その様子からすると、まだ熱は下がってなさそうだな｣
｢かも…。体めっちゃ熱いし｣
｢俺は背中向けておくから、濡れタオルで軽く汗だけでも拭いとけ。少しは気分的にもマシになるだろ｣
｢ありがとう…あ、鳴った｣
測り終えたアラームが鳴り、確認すると温度計は37.5と微妙な数字を出していた。銃兎さんに見せると｢平熱がお前そんなに高くないし、この体温でも辛いだろ｣と労わってくれた。手袋は外された銃兎さんの素手が私の首元をなぞり｢やっぱり熱いな｣と心配そうに眉を下げた。
｢一応、お母様の作った雑炊があるが…食べれそうか？｣
｢薬飲みたいし、少しだけなら大丈夫｣
｢ちょっと待ってろ。準備してくるから｣
ぽんぽんと私の頭を撫でてから立ち上がり、早足気味に下の階へ行ってしまった銃兎さん。きっと雑炊を取りにキッチンへ向かったのだろう。お母さん。もし銃兎さんが来てくれなかったら私多分雑炊食べれなかったと思うし、そもそも作ってくれてるのなら言って欲しかったよ……。どうして謎のツンデレみたいなことするの…。
お母さんの雑炊は嬉しいが、少しばかりの不満を垂らしながら銃兎さんの帰りを待つこと数分。またまた早足気味で銃兎さんは部屋に戻ってきた。今度は熱々の雑炊を持ちながら。
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レイ(プロフ) - 書き手さんならではのスランプ、ありますよね…。ゆっくりで大丈夫ですよ、いつでも私たちは待ってますからidさんのペースでこれからも頑張ってください！貴女の書かれるお話が大好きです。 (2019年4月12日 12時) (
レス) id: ddb4bf0a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：id | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月6日 16時
