【ニコライ・ゴーゴリ】 契約書を熟読しろ道化師。 【文豪ストレイドッグス】

契約項目・参 ページ4

『...どうしよう...』



見知らぬ道を歩き始めてから早い物で15分が経過していた。



けれど、一向に何時もの道に出る事が無い。












『誰か人が居たら、近く迄の道を聞くんだけどなぁ...』



_________って云っても、此処ら辺じゃなかなか人に会えないよねぇ...











途方に暮れつつ、来た道を戻ろうと振り返った瞬間、











「あの...」



警察官の服を身に纏った男性が立って居た。







《あ、お巡りさんなら何時もの道迄案内して呉れるかも。》






そう思った私は、お巡りさんとコンタクトを取る事にした。




『はい、何でしょうか？』

「すみません、一寸お姉さん。御時間宜しいですか？」

『ぁ、はい。どうかしましたか？』
















だが、其れがいけなかったのだ。





何故なら彼は、警察官の格好をした警察官では無い人(・・・・・・・・・・・・・・・・・)であったからだ。









《あれ？》







私は気付くのが遅かった。


















《私が此の道に来る途中、








後ろに人気は感じ無かったけど(・・・・・・・・・・・・・・)...》






そう考える私は他所に、彼は語り掛ける。

















「_________手品はお好きですか？」



『え、』













どう云う事かと聞こうとしたが、時既に遅し。





何かに吸い込まれる様な感覚を、身体全体が感じ、思わず目を瞑る。














次に目を開いた時には、














見知らぬ路地裏と、



















「接近成功っと♪」

















先程とは異なる格好____________まるで道化師の様な格好_____________をした男が立って居るのが、視界に映った。

















『ぇ、なん、え？』


急な出来事に腰を抜かし乍ら驚いていると、道化師男はニコリと微笑み、口を開いた。



















「あ、御免御免！急な事で吃驚したよねぇそりゃそうだ！幾ら私でも知らない人に急に連れ去られたら吃驚するもの其れより君の其の表情は面白いね！他の表情を見るのも楽しみだよ後腰大丈夫？」


『否、めっちゃ喋りますやん。』



表情からは考えられないマシンガントークに対し、思わずツッコミをしてしまった。










拝啓、天国のお父さん、お母さん。














どうやら私は、人生初の誘拐をされてしまったみたいです。



















______________其れも、道化師みたいな男に。

契約項目・肆→←契約項目・弐

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す