気色悪イ空気 ページ7
No side__________...
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緊迫した空気が、探偵社に漂い始める。
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幾ら歴戦の調査員達も、冷汗を流し出す。
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自分の瞳に映る少女__________織田Aは、言葉さえ発して居るものの、表情は冷たく、目には誰一人として映そうとはしていない。
ただ、その瞳の中に有るのは、黒く濁った静けさだけ。
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太「________全く、困ったもんだよ。4年間顔を合わせないと、こんなにも変わるなんて。」
突然、Aに未だ
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太「ねぇ、A。お願いだから短刀、降ろして?」
自分の喉笛に有る短刀を指差し乍、小さな子供をあやす様にAに問い掛ける。
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其れを見たAは、表情を少しも変える事無く、目にも留まらぬ速さで軽く腕を降った。
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_______________其の瞬間。
ポタッ
ポタッ
太「......!!!!」
太宰が自分の喉笛に開放感を感じ、眼だけを動かして見てみると、首に巻き付けている包帯が少し切れ、其処から紅く染まった血が流れていた。
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貴『......どいつもこいつも、私の声が聴こえない呪いでも掛かっているのかな。』
Aの手に握られているのは、刃先に新鮮な紅が付いた短刀だ。
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太宰が言葉を発した後、静かに、途轍もない速さで太宰の喉笛を短刀で少し切ったのだ。
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貴『貴方は何時も、人の話は聴かなかったけど...其の癖は一体何年経ったら治るの?治。』
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張り詰めた空気の中で、此の様に緊張感も無く淡々と喋れて居るのは、此の空気を作り出した張本人のAだけだ。
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太「__________君こそ、私の話を聴いてくれやしないじゃあ無いか。
昔は君の方から、『治。治。』って、可愛らしく話し掛けてくれたのに。A?」
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其の言葉を聴いたAは、ギリギリと歯軋りをして、太宰を鬼の形相で睨み付ける。
貴『誰のせいだと......全て...私が居場所を無くしたのも...私が一人になったのも...全て、全て、全て...御前のせいだと云うのに......』
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探偵社に居た誰もが、Aの姿を見て思った。
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彼女の今の姿は、きっと太宰の云う4年前の姿とは異なる仮の姿。
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けれど、彼女から発せられる其の言葉は、紛れも無く、此の4年間に積もりに積もった、真実であると。
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輪廻(プロフ) - 三斗さん» 長い間待たせてしまってすみません!亀更新でも待っててくれる人が居るとモチベが上がります...✨これからも応援、よろしくお願いします🙇♀️ (5月27日 21時) (レス) id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
三斗(プロフ) - 更新再開待ってましたー! (5月27日 21時) (レス) id: a2f9d1197a (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 七巳流さん» 有難う御座います!!織田作がお兄ちゃんだったら、絶対良いな〜と思い...✨✨ (2022年7月21日 18時) (レス) id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 織田作之助の妹、いい設定だね😊 (2022年7月21日 15時) (レス) @page3 id: a773157b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:輪廻 | 作成日時:2022年7月15日 22時