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うろ覚えではあったが、ユカはスラスラとシドの経歴を語った。
シュウル「なんでそんなに詳しいんだよ。」
ユカ 「こうゆうの調べるの好きなんだ。」
ミサキ 「ふぅーん。」
そう言って笑ったユカに、2人は「意外だな」と思った。
本当はあの人のことを調べているうちに自然に覚えちゃっただけなんだけどね。あなたの経歴はもっとすごいからなんだか安心。だってあなたはいつか殺されてしまうかもしれないから・・・。何を隠そうあなたはS級犯罪者だもんね。この国では犯罪者を脅威や犯罪の重さによってランクを付けている。ランクはS〜Dランクまであって、Sが一番高い値になる。すなわちS級犯罪者とは、死刑確定と言われているようなもの。そんな木ノ葉の大犯罪者を私は捜し求めているんだ。サスケちゃんも同じ。あなたに復讐するために生きているんだ・・・。
すっかり気分が沈んでしまった3人は、重い足取りで帰りの道を歩いていた。
ミサキ 「明日何やるんだろうね?」
シュウル「戦いだったらチームワークが必要だな。」
明日の演習内容を模索する2人の横でユカは不安に駆られていた。
ユカ 「ユカ・・・創世術しか使えないから迷惑かけたらごめんね・・・。」
ミサキ 「何言ってるの!先生だってすごい術だって言ってたじゃない。」
シュウル「それより今までどうやって授業受けてたんだよ?」
ユカ 「ごまかし・・・ごまかし・・・。」
創世術についてまだよく理解できていない2人は、ユカにいろいろな疑問を持っていた。しかし、もともと空想が大好きなユカにとっては自分の想像を実現できるというこの上なく理想的な術で、不便さはあまり感じていなかった。それどころか、あまりの便利さに甘えて創世術に頼り切っているうちにそれ以外が使えなくなってしまったのだ。
シュウル「そう簡単に誤魔化せるものなのか?」
ユカ 「うーん。自分に創世術をかければなんとでも・・・。」
シュウル「自分に?」
ユカ 「例えば変化の術なら・・・イルカ先生に変身した自分を思い浮かべて・・・。」
ミサキ 「?」
ポムッ
口で上手く説明する自信がなかったユカは、試しに2人に術を見せることにした。そして、例として変化の術を題材に上げ、ユカはイルカの姿に変身した。
ユカ 「こんな感じ?」
ミサキ 「変化の術と何もかわらない・・・。」
シュウル「印は結ばなくていいのか?」
ポムッ
拍子抜けしたような2人にユカは元の姿に戻った。
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作者名:らむ | 作成日時:2021年1月19日 2時