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深刻そうな顔でそう言うシドの言葉の意味がカカシにはよく理解できなかった。
シド 「普段のユカからではわからないのですが、先日ユカに直接話を聞いて思ったんです。このままだとユカはイタチの後を追いかけかねない。」
カカシ 「・・・イタチを追う・・・ね・・・。」
シド 「サスケと違ってユカはイタチを恨んではいないんです。」
サスケのイタチへ対する復讐の念を知っているカカシは信じられないという顔をした。
優しい性格なのは見ていてわかるが・・・一族を滅ぼされて恨んでいないとは考えられないな。
シド 「あの日「忍となり俺を追いかけて来い」とイタチに言われたそうです。」
カカシ 「それで忍になったと・・・?」
シド 「はい。本人はそれが理由で忍を志したと言っています。それに会いたいだけでなく、理解してあげたいとまで言っている始末で・・・。」
カカシ 「・・・俺のほうでも何か聞き出せないかやってみるよ。」
真剣な顔で少し考えるようにしてカカシはそう返した。
シド 「よろしくお願いします。」
カカシ 「で、ユカはどんな戦い方を?」
シド 「正直未知数です。いつも可愛らしい小動物のような創世獣ばかり出していますが、第二試験では人語を話せる強力な創世獣を召還したという話も聞いています。」
カカシ 「ほう・・・。」
シドからの情報にカカシは意味ありげに目線を泳がせた。それからいくつかの話をして2人は別れた。
カカシがサスケの病室に行くとユカはスケッチブックを片手に絵を描いていた。
カカシ 「何描いてるんだ?」
ユカ 「さっき先生にサスケちゃんの酸素マスクを外してもらえて。普段はこうやって寝顔をジッと見ることなんてできないから、スケッチしてたんです。」
カカシ 「・・・ほう。なかなか上手いじゃないの。」
楽しそうにそう言ったユカのスケッチブックを覗くと、そこには寝ているサスケの姿が描かれていた。
ユカ 「ユカ、絵は得意なんですよ。」
カカシ 「絵はよく描くのか?」
ユカ 「はい。創世獣を作るときは基本的にスケッチからはじめるんです。」
カカシ 「それ、見てもいい?」
ユカ 「どうぞ。」
ユカは快くカカシにスケッチブックを渡した。カカシはスケッチブックをパラパラとめくった。
そこには創世獣であろうイラストや細かい設定が書き込まれていた。それ以外にはシュウルやミサキの絵や木ノ葉の里の風景画などもあった。
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作者名:らむ | 作成日時:2021年2月11日 4時