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15話 ページ17

外に出ると夜だった


空には満月より少し欠けた月が浮かんでいる


『ふむ…散歩には丁度良いね』
 

私は地面を蹴り空中へ飛んだ


猫の身体は靭やかでとても軽い


ビルの上を軽々と通り越して行く


ふと、頭の中から声が響いた


【そんなテキトーに探し回って見つかるのか?ああん?】


クチナワさんだ


『別に適当に探している訳じゃないよ。ちゃんと考えて探しているさそれに、次の怪異がどんなのかは見当がついているしね』


【ほぉ…一体どんな奴何だよ】


『クチナワさんや猿とは違って怪異の中でも大人しい怪異だよ。ある程度の怪異を手に入れたからか残りの怪異がどんなのか分かるようになってきたんだ』


話しながらビルの屋上に着地する


屋上からの景色を眺めていると後ろから足音が聞こえた


「おや、こんな所に迷い猫が居るようですねぇ…」


振り向くと其処には青白い顔をした男が立っていた


「何か探しものでも?」


男はそう尋ねてきた


『一寸ある物を探しているんだ、君知らないかい?』


「残念ながら僕は貴女が探しているものを知りません」


『それは残念』



 

 
 
 
 


『ところで何故君はこんなところにいるんだい?─────魔人くん?』



魔人──そう呼ばれた男はにやりと笑った


『まだこのヨコハマにいるのかい?いい加減故郷に戻ったらどうなんだい?』


「そうしたいところなんですが、僕も貴女と同じ捜し物があるので」


『ふーん…まぁ君が探しているものなんて心底どうでも良いけど、この街を荒らすのだけは勘弁してよね』


「意外ですね。貴女がそんなことを気にするだなんて」


魔人はキョトンとした顔で聞いてきた


『この街に執着は無いけど此処には私の友達が住んでいるからね。彼らに危険な目にあってほしくないだけだよ』


「僕から見たら貴女もこの街に執着があるように見えますが?」


『カカッ!!』


魔人の言葉に思わず笑う


『面白いことを云うねーもう少し君と話していたいところだけどそろそろ帰らなくては行けないんだよ』


「そうでしょうね。猫が逃げ出していたら飼い主(・・・)が慌ててしまうでしょうし」


『勝手に飼い猫扱いは困るなー……まぁ、今はそういう状態だけどね?』


私は魔人に挨拶をして、また太宰くんが居るあの部屋に戻った

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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時

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