【銀魂】キオクノカケラ (ページ42)

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えりが思ったことを口にすると、近藤はえりなら何かわかるかもなと、軽くえりの頭をポンっと撫でた。

「立場が変わったって年頃の娘に変わりは無い。最近お父さんの視線がいやらしいとか、お父さんが臭いとか色々あるのさ。」
「お父さんばっかじゃねーか。つーかえりにもそれはわかんねーよ。記憶ねーんだから。」
『父親関連はどうにも分かりませんね。やっぱり記憶思い出せないんで。』
「ほらみろ。」

バッサリと切り捨てたえりに近藤はさらに悩むように唸っていた。そこに沖田がパーティーを開こうと発言し、土方はアホかというようにその提案を却下していた。

「大丈夫でさぁ、土方さん。パーティーはパーティーでもバーベキューパーティーです。」
「何が大丈夫なんだ?お前が大丈夫か?」
「局長ォォ‼️」

そこに山崎が走ってきて、またもや土方は沖田提案の夏服を着ているのに黙って見ていた。

「どーした山崎?」
「目撃情報が…
どうやら姫様はかぶき町に向かったようです。」
「かぶき町!?」
「よりによってタチの悪ぃ…」
『行きましょう、土方さん、近藤さん。
姫様に何かあってからでは遅いです。』
「おうよ」
「そんで土方さん、夏服は」
「いらねーよ。」
「ちぇー」
『ちなみにどれくらい作ったの?』
「ざっと100着」
「むしろどうやって作ったお前」

緊張の欠けらも無い会話をしながら土方達は、かぶき町へと向かった。

目撃情報があったところから少し離れた団子屋でそよ姫は見つかった。
髪飾りはなく、町娘と同じような服装をしていて、パッと見では姫君とわからないのも無理はなかった。

『土方さん、あそこに。』
「おう。」

土方はえりと共にそよ姫の前へと歩み寄った。

「私がいなくなったら、色んな人に迷惑がかかるもの……」
「その通りですよ。さァ、帰りましょう。」
『無事でよかったです。姫様。』
「………」
「……」(ぱしっ)

無言で立ち上がったそよ姫の手を、神楽は掴んでとめた。

「!!」
「何してんだテメー」
『……姫様?神楽ちゃん?』

神楽はにぃっと笑うと、土方に向けて咥えていた団子の串を思いっきり吹き飛ばした。

咄嗟に土方がそれを払った隙に、えりがいる方とは反対側へと逃げ出した。

『!?』
「おい!!まて!!」
「『確保!!!』」

えりと土方が同時に奥で待機している隊士に向けて叫ぶと一斉にパトカーごと飛び出し、神楽は一瞬動きが止まった。