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第8話 赤とお礼 ページ9

国木田「おいA。何故、俺を避ける」


あの日から。
国木田さんに姫抱きされた、あの日から。

私は、国木田さんの顔がまともに見れなくなっていた。


『避けてなんてない、です・・・』

国木田「嘘を吐くな。今だって、目を合わせようとすらしないではないか」


貴方の所為ですよ。

・・・なんて、云えたら良いのに。


『自分の胸に訊いてください』

国木田「分からないから訊いているのだろう!いいから、教えろ」


この様子から察するに、この男はあろう事か、自分が何故避けられているか分かっていない。

・・・というか、姫抱きした事さえ分かっていないだろう。


『・・・・・・先日、私が脚立から落ちた事がありましたよね?』

国木田「・・・それを俺が助けた筈だが・・・。若しや、それが気に食わなかったのか?」

『私は助けてくれた人を嫌うなんてしません。・・・ただ・・・』

国木田「・・・ただ?なんだ」


ああ、本当に分かってないんだ。

私は何だか恥ずかしくなって、少し俯いて云った。
顔もきっと、赤くなっているだろうから。


『・・・姫抱き、しましたよね。国木田さん、あの時・・・』

国木田「・・・姫抱き?・・・・・・あ」


沈黙が流れる。
長い長い、苦しい時間だ。


国木田「・・・・・・あ、あれはだな!たまたまというか偶然であって、別に故意でやった訳ではない!」


国木田さんは焦って否定をした。
顔を真っ赤にして、両手をぶんぶんと振っている。

遠くからは、太宰さんが「わあ、楽しそう」と傍観していた。


国木田「わ、悪かった。確かに、お前が避けるのも無理はないだろう・・・」


国木田さんに頭を下げられる。

ど、どうしよう、謝らせる気なんて無かったのに・・・。


国木田「・・・本当に悪かった。・・・失礼する」

『あ、国木田さん!待ってください・・・!』


国木田さんの服をぎゅ、と掴んだ。

今度は俯かずに、云う。


『助けていただいて、ありがとうございました。・・・ちゃんと、お礼云えてなかったから』

国木田「あ、ああ・・・」


その後、お互い顔を真っ赤にしては・・・。

太宰さんや乱歩さんにからかわれました。

第9話 太宰さんとからかい→←第7話 脚立と浮遊感



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紅羽(プロフ) - 続編fightだ! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 5947bb1147 (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - きのこまるさん» 期待してます。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)
きのこまる(プロフ) - 黒バイさん» 自分勝手で申し訳ありません・・・!もう少しお付き合いください・・・。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c031244509 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - 続編…!?楽しみにしています! (2018年8月24日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - ちょ、え、待って、え、完結??おめでとう!え、ちょ、待って、ああああ (2018年8月23日 22時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのこまる | 作成日時:2018年7月27日 20時

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