第45話 本心と嫌いな人 ページ46
太宰「国木田君・・・何を云っているんだい?」
国木田「そのままの事だ。Aはきっと、お前の事が好きだ」
太宰「え?」
国木田「だから、それに気づいて、俺は彼奴とはあまり話さないと決めたのだ」
・・・国木田さんは、何を云っているの?
私が、太宰さんを好き?
違う。
私が好きなのは・・・国木田さんだ。
太宰「あのねえ、国木田君・・・」
国木田「ああ、まだ云っていなかったな」
国木田さんは、淡々と言葉を放っていく。
国木田「俺は彼奴といると、彼奴の事を考えると・・・いつも胸が苦しいような感覚に襲われるんだ」
その姿に、迷いなんて感じなくて。
全部、本心で云っているのだと、思わざるを得なかった。
国木田「・・・きっと俺は・・・」
本心で云っていると分かってしまったから、次の言葉を聞きたくなかった。
嘘だと、否定したかった。
国木田「・・・Aの事が、嫌いなのだろうな」
ぼろぼろと、涙が溢れ出した。
そうだったの?
私の事が嫌いなの?
嘘だって、冗談だって云ってよ。
・・・好きって、云ってよ・・・!
『国木田さん』
国木田「A!?い、いつからそこに・・・」
『・・・私の事、嫌いだったんですね』
国木田「そ、それはだな・・・」
今更、「違う」と否定するのだろうか。
さっき自分で云った癖に。
『そうとも知らずに私ったら・・・。迷惑でしたよね、お菓子なんて』
今、私は笑えているだろうか。
諦めがついたように、見えているだろうか。
『ごめんなさい、もう国木田さんとは関わらないようにしますから・・・』
国木田「待てA!」
そう云って、私はその場から小走りで離れようとした。
それを、国木田さんは追いかけようとする。
『来ないでください!』
国木田「っ・・・!」
『もう、これ以上・・・期待させないでくださいっ・・・』
・・・ああ、私は悪人だ。
国木田さん、傷ついた顔してたなあ・・・。
・・・・・・・・・ごめんなさい、国木田さん。
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紅羽(プロフ) - 続編fightだ! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 5947bb1147 (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - きのこまるさん» 期待してます。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)
きのこまる(プロフ) - 黒バイさん» 自分勝手で申し訳ありません・・・!もう少しお付き合いください・・・。 (2018年8月24日 20時) (レス) id: c031244509 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - 続編…!?楽しみにしています! (2018年8月24日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
グーフィー(プロフ) - ちょ、え、待って、え、完結??おめでとう!え、ちょ、待って、ああああ (2018年8月23日 22時) (レス) id: c591818929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこまる | 作成日時:2018年7月27日 20時