【国木田独歩】理想とは程遠い恋【文スト】

第44話 盗み聞きと彼の気持ち ページ45

太宰「さて、国木田君･･･。君を此処に呼んだのは他でもない、Aちゃんの事を訊く為だ！」


全部教えてもらうよ？
と、太宰さんはニコニコと笑っていた。

反対に、国木田さんは。
腕を組んで、不機嫌そうに眉間に皺を寄せていた。

ちなみに、私はと云うと･･･。
国木田さんから見えない位置で二人の会話を盗み聞きしていた。


国木田「･･･何の心算だ、太宰」

太宰「国木田君は最近Aちゃんと話さないよね？何で？」

国木田「おい、無視をするな」

太宰「いいから、何で？」


国木田さんは、はあ･･･、と溜息を吐いて、太宰さんに云った。


国木田「俺は今、彼奴と話せる状況ではない」

太宰「ふーん、そう」


･･･いや、「ふーん、そう」じゃないですよ太宰さん！

どういう事？
私と話せる状況じゃない？

滅茶苦茶気になるんですけど･･･！


太宰「じゃあ、Aちゃんの事はどう思ってるの？」


え、そんな踏み込んだ事、訊いちゃうんですか？

･･･若しかしたら、告白する前に振られるかもしれない･･･。


国木田「そう云うお前こそ、どうなんだ？太宰」

太宰「え？私？･･･うーん、可愛い可愛い後輩･･･ってところかな？」

国木田「･･･そうか。お前達は確かに仲の良い関係だ。･･･ただ･･･」


･･･ただ？
私は次の言葉を、唾をごくんと飲み込んで聞いていた。



国木田「Aはお前に、それ以上の関係を望んでいるぞ」



･･･はい？

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